【教育委員会改革】教育の政治的中立性、継続性、安定性を守り抜き、教育の責任と迅速性確保に与党改革案決まる。

 自民、公明の与党両党の教育委員会改革に関するワーキングチーム(WT)が改革案をまとめました。同WT副座長で党教育改革推進本部の富田茂之本部長(衆院議員)に同改革案のポイントや公明党の主張が反映された点について聞きました。
Q.なぜ教育委員会の制度改革が必要なのですか?
A.教育行政の責任の所在を明確にし、深刻化する、いじめなど教育現場の諸問題に、迅速かつ適切に対応するためです。
 現在の教育委員会制度は教育の政治的中立性、安定性、継続性が確保されているなど良い点もありますが、教育長と教育委員長が併存し、どちらが教育行政の責任者なのかが曖昧な上、多くの自治体では会合が月に1、2度しか開かれないなど、形骸化の問題も指摘されています。
 また、常勤の教育長以外、教育委員長と教育委員は非常勤で、緊急事態に迅速に対応しづらいという危機管理上の問題もあります。
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Q.今回の改革案のポイントは?
A.教育長と教育委員長を一元化し、新たな「教育長」を創設します。任期は3年で、議会の同意を得てから自治体の首長が任命と罷免を行います。また、教育委員会と首長が協議を行う「総合教育会議」を各自治体に設置します。
Q.公明党の主張が反映された点は?
 大津氏のいじめに始まった教育委員会改革は、いわゆる中教審のA案B案でなく、C案で与党の合意が得られました。以下は、公明党で教育委員会制度のワーキングチームの富田衆議院議員のインタビューです。
A.教育の政治的中立性、継続性、安定性が重要であると訴え続けました。改革案では、従来通り、教育委員会を政治的に中立な教育行政の執行機関と位置付け、教科書採択や教育課程の編成、教職員人事なども、教育委員会の専権事項であることを確認しました。
 また、与党合意では、教育行政の責任体制を明確にするため、常勤の新「教育長」を教育行政の責任者と位置付け、緊急時に迅速な対応ができるようにしました。さらに、任命・罷免を首長が行うことで、最終的な責任が首長にあることも明確になります。公明党の提案で、新「教育長」へのチェック機能を強化するため、教育委員も会合開催を要求できるようにもしました。
 運用面では、教育委員の人選を工夫したり、教育行政に精通した専門家を育成し、教育委員会の事務局に置くことなども進める方針です。
Q.「総合教育会議」設置の意義とは?
A.同会議は、国が定める教育振興基本計画の基本的な方針を参考にした大綱の策定や、学校の耐震化などの予算を伴う事項、教育条件の整備などについて教育委員会と首長の両者が協議する場です。お互いの権限を尊重しながら、意思疎通を図り、より円滑な教育行政を進めることが狙いです。児童・生徒の生命、身体に関わる緊急事態にも対応します。
Q.今後のスケジュールは?
A.法案づくりを進め、与党両党で了承を得て閣議決定を行い、今国会での成立をめざしています。