【地域おこし協力隊】都市部から過疎地域に若者のの地域貢献を積極推進。多様な活動を支えよう。

 地方への関心が高まり、過疎地の自治体が募集する地域おこし事業に対すと都市部から移住してくる若者がいます。この定住促進策が注目されています。
 以下は、公明新聞の主張です。
地域おこし協力隊 若者の移住に結び付く支援を
公明新聞:2014年8月30日(土)付
都市部の若者らを過疎地の自治体が募集し、地域活動に従事してもらう「地域おこし協力隊」制度が全国に広がっている。隊員数は年々増え、スタートした2009年度は全国で89人だったが、昨年度は約1000人にまで拡大した。安倍晋三首相は6月、この制度の状況を視察した島根県で、隊員数を今後3年間で3000人に増やす方針を打ち出している。
応募者は地方での暮らしや地域貢献を望む人たちが多い。地方では少子高齢化の進行や人口流出が深刻だ。若者の定住促進策の有効な手だての一つとして、受け入れる自治体を増やしていきたい。
協力隊は他地域に暮らす人材を活用した地域活性化策として、総務省が創設した。募集は過疎や離島地域などの自治体が行い、採用されたメンバーは住民票を移して移住地に住む。任期は最長3年で、自治体には募集に必要な経費のほか、隊員1人につき最大400万円の財政支援がある。
活動内容は地域によって異なるが、伝統芸能や祭りの復活、地域ブランドの開発・販売、空き店舗を活用した商店街の活性化、耕作放棄地の再生など多岐にわたる。
総務省が今年公表したアンケート結果によると、昨年6月末までに任期を終えた隊員のうち約6割が、活動していた市町村か近隣地域に定住している。任期後も地元に残ってもらうことは、制度の最終目的でもあるので、この動きを歓迎したい。
一方で、受け入れ地域に定住しない人の中には、活動経験を生かして他地域の市町村で活躍する人もいるが、移住地になじめないまま離れる人もいる。自治体は地元の魅力を十分に伝え、定住に結び付けていく努力を重ねるべきだろう。
例えば、定住支援のコーディネーター(調整役)の配置や、隊員からの生活上の相談などに応じる「ワンストップ窓口」の設置を検討してはどうか。また、周辺自治体とも連携して、隊員同士が問題意識や今後の進路について情報交換したり、話し合える場を設けてもいいのではないか。
自治体は、隊員が無理なく地域に溶け込み、定住の流れが加速するよう、受け入れ態勢を強化してもらいたい。