【ニート候補】ひきこもり、自宅で感じた疑問。「なぜ」の回答を探すために市議選に立候補。

 地方統一選前半の話題の一つとして、年齢25歳で、中卒ニートの成年の立候補の様子が伝えられました。
 ポスターは、白紙に黒文字で、名前と年齢、そして「ニート」。
 熊谷市長は、市議選では当選できないものの参議院比例区では当選可能なツィターの発信力と評したそうです。
 ある意味で選挙のあり方に一石を投じたかもしれません。
 また、若者の政治意識のキッカケや参加意識の成長過程は、大切にすべき内容ではないかと示唆的です。
 また一方で、ニートを苦労として捉えて情緒的に見ているのかもしれないと心もとありません。
 まあ、あまり拘ることなく、このような事実を心に留めたいと思い、ブログの記録に致します。
上野竜太郎 ニート、政治家になる。
上野竜太郎 25歳 ニート 千葉市議会議員選挙立候補者
上野竜太郎 自己紹介
 2015年04月04日(土)
 テーマ:ブログ
皆様、初めまして。
この度、千葉市議会議員選挙に立候補させて頂いた、上野竜太郎です。
選挙公報や選挙ポスターだけでは情報量が足りないのと思ったので、
ブログで自己紹介でもしてみようかと思い気付きましたが、
私には経歴というものがありません。
何一つありません。
自分はアルバイトの為の履歴書すら真っ白な人間です。
私は、ニートです。
私は、毎日自分の部屋にこもり一人で過ごしています。
私には、友達はいません。
知り合いすらいません。
両親ともあまり話しません。
妹とも、祖父母とも。
私は、今まで一度も異性と恋愛をしたことがありません。
私は、本当に世界一のダメ人間だと思います。
私は、中学二年生の前半から学校に通わなくなりました。
いわゆる不登校です。
何故、私がその様なことになってしまったのか。
皆さんは知りたいだろうと思います。
しかし、申し訳ありません。
それを話す事は出来ません。
それは、今まで誰にも話してこなかった事です。
そして、それはこれからも同じだと思っています。
しかし、これだけは伝えておきます。
私の不登校については、
私の引きこもりについては、
私の現在のこのような状況については、
私の家族にはなんの責任もありません。
父も、母も、私の祖父祖母も、
すべては私自身に問題があったのです。
そして、こと私に関して言えば、それは社会のせいでもありません。
私は、私が現在置かれているこの状況について、社会に責任を転嫁するつもりは毛頭ありません。
すべて自分が悪いんだと、
自分自身に大きな欠陥があったんだと思っています。
しかし、そんな社会のゴミの様な人間にも目があり、耳があり、脳ミソがあります。
そして、日々、考えている事があります。
私は、家に引きこもりながら様々な本を読み、
様々なニュースを聞き、
様々な知識に触れ、
この世の中について知っていきました。
その世界では、サラリーマンがサービス残業に苦しみ、介護士が低賃金で酷使され、若者は未来を失い、高齢者は日々の生活に喘いでいました。
その様な実情をを知るにつれ、沢山の様々な疑問が湧き上がってきました。
何故、サービス残業はなくならないのだろう?
何故、有給休暇を取らせてもらえないのだろう?
法律にはそれはいけない事だと書いてあるのに。
何故、子供生んだ共働きの夫婦は、どちらかが仕事をやめなければならないのだろう?
何故、二人で育児休暇が取れないのだろう?
彼らには、その権利があるはずなのに。
何故、年金を減らされなければならないのだろう?
何故、社会福祉を削減されなければならないのだろう?
彼らが若いころ沢山沢山働いていたのは、安心な老後を送る為だったはずなのに。
働いても働いても貧困から抜け出せないのはどうしてなんだろう?
頑張っても頑張っても自分の幸せな未来が想像出来ないのはどうしてなんだろう?
一体どうして、日本はこんな国なんだろう。
日本は世界で3番目の経済大国であるはずなのに。
この国は偉大な国であるはずなのに。
しかし、何故そうなってしまっているのかは、僕にはさっぱり分かりませんでした。
この場で改めて申し上げておきますが、私は教育を受けていません。
確かに、家で引きこもっている間に放送大学の講義を好奇心から見ていた事もあります、図書館からかりた本を読んでもいます。
しかし、今まで学校に通って毎日一生懸命に勉強してきた人々に比べれば、僕の持っている知識なんて塵ほどのものでもありません。
カスです、ゴミです、う○こです。
皆が頑張って学校に通っていた間、
一人で自分の部屋に閉じこもっていた人間が、皆に敵うはずがない。
本当は、ここで難しい政策について語って自分が高学歴の官僚たちに操られない人間なんだとアピールがしたい。
本当は、ここでこの社会の問題点を分析し自分がこの国の政治家の中で対等に渡り合っていける人間なんだとアピールがしたい。
しかし、残念ながらそれは僕にはとてもとても難しい事でした。
本当は、自分のようなどうしようもない人間が立候補なんかすべきじゃなかったのかもしれない。
しかし、そんなどうしようもないクズ人間でも日本人です、人間です。
バカみたいな考えでも主張する権利がある。
浅はかな望みでも夢見る権利がある。
自分が住みたい理想の国を想像する権利がある。
私は暮らしたい、
北海道で身体の不調に苦しんでいる祖父が安心して人生の残りを生きて行けるような社会福祉制度があり、
我孫子に住む足に障害をもつ祖母がなんの不便もなく暮らしていける様な弱者に優しい国に。
シングルマザーとして女手一つで子供を育てている妹が、未来になんの不安もなく、なんの恐怖もなく平凡な毎日がおくれるような、
私の両親が現役を引退したあともなんの不自由もなく生活が出来るような国に。
そして、私のような人生につまずいてしまった、線路の上から外れてしまった、人生に絶望してしまっている人々が未来に希望を持てるような
そんな国に、私は暮らしたい。
私は、私の愛する祖国が、みんなで仲良く暮らしていける国であってほしいと思っています。
若い人も、壮年の人も、中年の人も、高齢の人も。もちろん、赤ちゃんも。
男も、女も、トランスジェンダーの人も同性愛者も、無性愛者も。
一文字の名字を持つ人も、カタカナの名字をもつ人も。
それを、夢だと言う人もいるでしょう。
それを、絵空事だと言う人もいるでしょう。
机上の空論、馬鹿げた妄想だと、笑う人もいるでしょう。
私はそれを否定は出来ません。
無茶なのは分かってるつもりです。
無謀なのも分かってるつもりです。
無鉄砲だと本当に思います。
しかし、これが無理な望みなんだとはどうしても思えませんでした。
だから、アホらしくても何とか頑張って選挙やってみます。
どうぞ、笑ってやって下さい。
これが、私、政治家上野竜太郎のマニュフェストです。
お寒い長文失礼致しました。
選挙終了落選確定後のツイート(15人中12位・定数10人)
上野竜太郎 @uenoryutaro 2015-04-13 01:46:16
まず最初に、今回の千葉市議会議員選挙において1399票を得た事をご報告します。
そして、私の様な色物候補に
少しでも何かを思い、
少しでも何かを期待し、
投票用紙に上野竜太郎という普通より一文字多いこの五文字を書いて下さった
1398名の方々に心からの感謝と、心からの御礼を申し上げます。
私の様な底辺の人間にとって50万円という供託金はとても大きな金額です。
皆さんが私を救って下さったのだという事、生涯忘れません。
次に、選挙区外から応援してくださった顔も名前も分からない皆さん。
お会いする事もお話する事もありませんでしたが、あなた方が確かに存在していたことを私は知っています。
ありがとうございました。
そして、私のTwitterをフォローして下さっている1万数千人の皆さん。
私は、Twitterに不慣れなので皆さんと上手くコミュニケーションを取ることが出来なかった事、反省しています。
しかし、皆さんの声は届いています。
皆さんの言葉は私に勇気をくれました。
皆さんの言葉が私を前に進ませてくれました。
今後、何かツラいことがあれば、
皆さんの言葉を思い出してまた前に進んで行けると思います。
こんなダメ人間を応援して下さってありがとうございました。
最後にひとつだけ、
繰り返しますが、私は今回の選挙で8000円しか使っていません。
チラシやのぼり、選挙事務所など様々な物にお金を使って落選した方は、金銭的な痛みがとても大きいと思います。
しかし、選挙に使ったお金が8000円なら痛くも痒くもありません。
普通の、しかし志ある一般人が立候補を諦める理由で最も多いものに「現在の仕事の問題」と「お金の問題」があります。
社会人が立候補しようと思えば、まず会社を辞めなければなりません。
アメリカやヨーロッパでは、
休職して選挙に挑み、落ちればまた復職
当選すれば議員を引退するまで引き続き休職する
といった事も出来る様ですが、日本ではまだその様な理想は実現出来ていません。
次にお金です。
この国の法律では、立候補するのにまず「供託金」というものが必要になります。
市議会選挙なら30万円
政令指定都市なら50万円
衆議院選挙なら300万円
参議院選挙なら600万円
これだけのお金を用意しなければなりません。
そして、得票率が一定数に届かなければこのお金は没収されてしまいます。
更に、現在の政治家が行っている「普通の選挙」をしようと思うなら
事務所・事務用品・チラシ・葉書・スタッフの人件費・通信費
など様々な物にお金をかけなければなりません。
普通の人間が用意するにはとても大変な額のお金がかかります。
その結果、普通の人間は立候補を断念し、少し普通ではない人間が我々の代表になるのです。
勿論、
背水の陣を敷き
不退転の決意を持って
家族と共に辛苦を味わい
国民の皆さまの為に決起しよう
という方は素晴らしいと思います。
そういう方も議会には必要なんだろうと思います。
本当にそう思います。
しかし、
「世の中を良くしたい」
けれど仕事を辞めると再就職は大変だし
家族の未来を不安定にするわけにはいかない
そういう普通の感覚をもった人間もまた、議会には必要とされているのではないでしょうか。
「現在の仕事の問題」に関しては、私にはどうする事も出来ません。
これは会社と社会の問題です。
しかし、「お金の問題」に関しては
私は、自分の財布も国民の金庫も痛まない選挙を実践出来たと思います。
かなり無茶苦茶なやり方だったので
今後、政治家を志す普通の方の参考になったかは分かりませんが。
しかし、それが若い人間ならまた事情も少し異なると思います。
特に、若年層の投票率低下が問題視される現在、若い人の政治参加が必要だと誰もが主張します。
現在の法律では立候補可能なのは25歳からです。
20代で立候補しようと思うなら、チャンスは25~29までの4年間しかしありません。
確かに短い期間ですが、この4年間の間に我々が持つことの出来る、この「2」という数字には、とても大きな力があります。
それが地方選挙なら、恐らくこの「2」という数字だけで供託金没収のラインは越える事が出来ると思います。
こんなふざけた人間の、こんなふざけた選挙戦でも、そのラインは越える事が出来ました。
今回の選挙についてはまだ調べていないので分かりませんが、前回の選挙では
千葉市からは77人の人間が立候補し、供託金を没収されたのは1人だけでした。
更に広げて、千葉県全体の市議会選挙となると
1235人の人間が立候補し、供託金を没収されたのは15人だけでした。
その1235人の中には11人の20代の人間がいましたが、落選した6人を含めて全員の供託金が返還されています。
「当たって砕けろ」という姿勢が市民の方々に対して誠実かどうかは分かりませんが、20代の人間なら転職・再就職もそれほど難しい事ではないでしょう。
挑戦してみる価値はあると思います。
普通に勉強し
普通に学校に通い
普通に社会経験を積み
普通の良識を持った
そんな、普通の20代に私は希望を見いだしているのです。
自分の友人が選挙に立候補していれば、
自分の元同級生が選挙に立候補していれば、
そして、全ての若い人間が「自分にも政治家になるチャンスがあるかもしれない」と心の何処かで思っていれば、
若年層の投票率低下問題も、少しはマシになるのかもしれません。
若い人達にとって選挙というものがもっと身近な物になれば
若い人達の主張が政策に反映される様な議会になれば
若い人達が未来に希望の持てるような社会になれば
私はとても嬉しいです。
絶望してはいけない、
我々は確かに少数派だが一人ではない。
少しずつ進んで行きましょう。
亀の歩みで兎を追い抜きましょう。
以上、元ニートでした。
今回の経験を通して「社会のゴミ」はリサイクルされ、少しマシになったようです。
このペラペラの再生紙が、今後平凡な社会人として皆さまの社会に少しでも貢献出来れば幸いです。
お寒い長文失礼致しました。
それでは皆さま、またいつか。
さようなら。
 上野竜太郎 @uenoryutaro 2015-04-13 02:32:00
あれ!右の奥歯が欠けてる!
何で?!