2025年度の都道府県別最低賃金出そろう/全国で時給1000円以上を達成

茨城県は69円上乗せで1074円に

2025年度の最低賃金の改定額が出そろいました。
全国の傾向を見てみますと、東京都が時給1,226円、神奈川県が1,225円とトップを維持し、千葉県や埼玉県も1,140円を超える水準となっています。全国平均の引き上げ額は63円で、これまでにない大幅な改定となりました。
背景には物価上昇や人手不足の深刻化があり、地域間での人材獲得競争がますます厳しさを増していることが挙げられます。最低賃金は単なる労働条件の数字ではなく、地域経済や雇用の持続性を映し出す鏡のような存在です。

その中で、茨城県の新しい最低賃金は1,074円。現行の1,005円から69円の引き上げとなり、改定幅としては2002年度以降で最大となりました。適用は2025年10月12日からで、県内で働くすべての労働者に影響を及ぼす重要な改定です。
全国平均を6円上回る引き上げ幅であり、茨城県として積極的な姿勢を示した結果だといえます。

大井川和彦知事は「茨城県の総合指標は全国第9位であるにもかかわらず、最低賃金は平均以下にとどまっている」という現状を繰り返し指摘してきました。県としても経済団体・労働団体と連携し、「国の目安に上乗せして引き上げる」という目標を共有し、労使双方に強く働きかけました。

八島功男議員ら県議会公明党も、単なる数字合わせではなく、人口減少や人材流出を防ぎ、地域の競争力を確保するための戦略的な取り組みとして、最低賃金の引き上げに尽力してきました。

もちろん、賃金の引き上げは経営者にとって負担となる側面もあります。特に中小零細企業では、人件費上昇が経営の重荷になることは避けられません。だからこそ、単に最低賃金を上げるだけでなく、併せて生産性向上や働き方改革を進める支援策が欠かせません。県としても、事業者の声に耳を傾けながら、持続可能な地域経済を築くために伴走していく必要があります。

今回の改定は、茨城県にとって「地域の底力を高める挑戦」だと感じています。働く人にとって安心できる賃金水準を確保し、同時に事業者にとっても未来志向の経営が可能となるよう、県政として知恵を尽くしてまいります。