みんなの党の江田前幹事長の離党は、野党勢力の混乱を表して余りあるものだ。江田氏が「野党勢力の結集」を言ってはみても、仮に一時の結集がなされているようでも所詮は仲違いすることを過去の歴史が物語っている。要は数合わせではダメということにほかならない。
公明新聞は、政治不信を招く離合集散は、理念の軽視と選挙優先を国民に見抜かれているからだと主張しています。以下、その記事を掲載します。
昨年の衆議院選挙から1年が経過したが、野党の混乱が止まらない。
野党第一党である民主党では離党の動きが続いており、みんなの党では国会議員の4割が離党し新党結成に動いた。日本維新の会の内部対立も、しばしば報道されている。
当然、各種世論調査では、こうした野党に国民の支持は得られていない。時事通信が今月6~9日に実施した12月の世論調査(全国2000人の有権者を対象に個別面接方式で実施)によると、政党支持率は、高い順に自民党24.6%(前月比1.2ポイント減)、公明党3.8%(0.5ポイント増)、民主党3.4%(0.2ポイント増)、共産党1.3%(0.3ポイント減)、日本維新の会1.2%(0.7ポイント減)、みんなの党0.6%(0.9ポイント減)などとなっている。
毎月行われている同調査を見る限り、政権を任せられながら迷走を繰り返した民主党に支持は戻っていない。「新しい三極」などと、話題を集めた維新とみんなは、昨年の衆院選での政権交代後、最低の支持率に沈んでいる。
一方、支持政党なしは63.2%(2.8ポイント増)と、この1年で最高を記録した。政党の離合集散が繰り返され、有権者の政治不信がさらに増大するという悪循環が心配だ。
こうした事態を招いた責任は、何よりも政党や政治家にある。政党は、政治理念や基本政策を共有し、国民の声を糾合し、合意を形成する役割を果たさなければならない。政党(パーティー)は、個々の政治家の寄せ集めではなく、文字通り、議会制民主主義の重要な部分(パート)のはずである。
与野党の対抗や論戦は、安全保障や社会保障など、日本の将来に責任を持つという共通基盤の上でこそ、実りのあるものになる。だが、わが国の場合、多くの政党は、理念や基本政策よりも、党勢拡大や選挙に有利か不利かを政治判断や議会活動の基準にしているように見受けられる。 政党選択に疲れた有権者は、政党よりも人気のあるリーダーに目を奪われ、政党は地道な党組織の構築やガバナンス(自己統治)よりも、強烈な主張などで国民受けする政治家を“看板”にして支持を集めようと懸命になる。党首が前面に登場する、政党の「個人化」が強まるのである。
野党の混乱によって、国民の声が政治に届きにくくなるようなことがあってはならない。与党にはさらに、政策や政治判断について、国民に丁寧な説明を重ね、理解を得る努力が求められている。