公明党のネットワークが推進力になり、今年度からパラリンピック競技の振興事業の所管が、厚生労働省から文部科学省に移管され、選手へのサポート強化が進むものと関係者に喜ばれています。
「障がい者スポーツの大きな転換点になりました」。そう語るのは、今年のソチ冬季パラリンピックで、バイアスロンの全日本チームでコーチを務めた阿部由香里さん(札幌市在住)。
阿部さんは2007年から、同競技のコーチとして障がい者スポーツの振興に携わってきた。
その中で、合宿や遠征などに実費で参加する選手や、トレーナーなどのスタッフが仕事を休んで対応している実態を目の当たりにしてきた。
「障がい者スポーツはこれまで、一般の人にはなじみがなく、社会参加や健康増進などのリハビリテーションと捉えられていた」と阿部さん。10年のバンクーバー冬季パラリンピック後もコーチの契約を更新したが、障がい者スポーツを取り巻く環境は厳しく、日本の強化体制に限界を感じていた。
障がいのある長男を育ててきた公明党横山衆議院議員は、「誰もが生きがいを持って挑戦できる社会づくりを」と、10年12月に質問主意書を提出。その後も一貫して、選手を取り巻く環境の改善を厚労省や文科省に粘り強く訴えてきた。
また、公明党としても「スポーツ庁」の設置を主張し、11年のスポーツ基本法成立を推進するなど、障がい者スポーツの選手たちの支援拡充に尽力してきた。
これらの取り組みが功を奏して今年度、スポーツ振興の観点から行う障がい者スポーツに関する事業が厚労省から文科省に移管され、パラリンピック関係予算も、対前年度比で約2.9倍の21億3468万円を計上。選手強化やメダル獲得に向けたサポート事業などが盛り込まれた。「ジュニア世代の育成や引退後のサポート体制が確立されるよう期待したい」と阿部さんは強調する。