【平穏死】静かなる在宅の最後を求め目指す。それが叶わぬ現実わ見つめて。

 「『平穏死』10の条件」を読了しました。著者は、兵庫県尼崎市で複数医師による365日年中無休の外来診療と24時間体制での在宅医療を実践する長尾クリニック院長の長尾和宏氏です。
 この「平穏死」は、在宅での最後を指しています。それは、著者の経験が、在宅の最後は平穏な死であったというものであり、在宅の最後を望んでもかなわない現実に対する事実の告知です。
 そのうえで「胃ろう」の造成や、「抗がん剤」治療、延命治療等が、私達の人生の最終章に如何なる役割を果たし、見守る家族や関係者に如何なる影響を与えるかを事実の上で書かれています。
 尊厳なる「死」から、尊厳なる「生」へ。著者は、死を全うするための生を見つめています。「死」は、「生」であり、「生」もまた「死」である。
 私たちは、確実にくる「死」をどう捉えるのかという「死生観」を意識して持たなければなりません。ここからスタートしてこそ今を充実させて生きることができます。
 この本をお読みすることをお薦めしたいと思います。