希望と立憲の政治ショーと与党連立の狭間で埋没感は否めない?

 昨年の日経新聞の公明党に関する気になる記事がありました。
 タイトルは、「公明、迎える試練の年 地方に募る不満、再建注力」。
 昨年の衆議院選挙がどのように見えるのかが分かります。取材を重ねての記事でもあり、一定の説得力もありますが、違うのではとの感想もあります。
 それは、報道が必ずしも公平ではないと感ずるからでしょうか。政治課題を与党間の貸し借りといった取引と捉えることや公明党の政策実現の根っこにある理念や理想まで探るようではないと思われるからです。
 野党分裂による希望の党や立憲民主党の誕生と両党の獲得議席など、マスコミの報道は論ずべき政策ではなく極端な政局に拘泥していたのではないでしょうか。
 今回もまた小選挙区制だからこその結果でもありましょう。選挙制度の見直しも必要かもしれません。
 そのうえで、あらためて自公連立の成果を、公明党らしくしっかりと定時しなければならないと思います。雰囲気づくりは国と地方の役割は同じではありません。加えて、公明党所属する全体の個と、議員一人ひとりの個性の磨き上げもこれから問われてくるのではないでしょうか。
 日経新聞を読みながら少しばかり考えました。
2017/12/28付 日本経済新聞 朝刊
 公明党が自民党とともに与党に復帰して5年がたった。政策実現という与党のメリットを得る一方、10月の衆院選は6議席減らし、比例代表の得票数は1996年の衆院小選挙区比例代表並立制の導入以降初の700万票の大台を割り、党内に大きなショックが走った。2018年は19年の統一地方選と参院選を控え立て直しに力を注ぐ。地方からは自民党との関係に不満の声もあり、試練の一年を迎える。
 21日、党本部で開いた今年最後の中央幹事会。山口那津男代表は「今年の選挙をよく分析し、勝機を見いだすことが大事だ」と呼びかけた。井上義久幹事長は「来年はじっくり党勢拡大を図る年になる」と語った。
 10月の衆院選は自民党が圧勝する一方、公明党は6議席減の29議席にとどまった。特に5議席減らし21議席となった比例代表は、9つの小選挙区で全敗し政権交代を許した09年の衆院選と同じ数だ。衆院選の比例得票数は05年の小泉政権時の898万票をピークに低下傾向にあり、今回初めて700万票を割った。
 衆院選直後、公明党国会議員と地方組織の代表を集めた会議は(1)準備時間の不足(2)公明党らしい政策のアピール不足(3)週刊誌に報道された議員の不祥事――の3点を敗因に上げた。だが党のベテラン職員の一人は「表面的な話ばかりで突っ込んだ話は何もなかった。問題の根は深い」と語る。
■見えぬ存在感
 「しっかり総括してもらわないと困る」。国政選挙で最前線に立つ地方議員からは不満の声が上がる。自民党との連立政権は15年がたったが「与党としての存在感がいまひとつ見えてこない」との意見すらある。
 第2次安倍政権で政権に復帰して5年。この間、消費増税に伴う軽減税率の導入や教育無償化など生活密着型の政策実現で「与党のメリット」を支持者らに訴えてきた。一方、自民党が主導して集団的自衛権を一部容認した安全保障関連法の成立や、憲法改正論議など本来なら支持者にウケの悪い課題にも渋々ながら応じてきた。
 首相官邸が関与したのではないかと野党が追及する学校法人「森友学園」や「加計学園」の問題を巡っては、批判をひかえる執行部に対し、地方から「安倍晋三首相を守っているようにみられる」との苦言も出た。
 安倍政権では支持母体の創価学会とのパイプが太い菅義偉官房長官を中心に、官邸と学会が直接意見交換するケースがある。これも公明党の存在意義が薄まる要因の一つだ。
 例えば昨年12月のカジノを含む統合型リゾート(IR)の解禁法案への対応。菅氏が学会幹部を直接説得し、公明党の意思統一前に自民党が採決を強行した結果、公明党は自主投票を迫られたとされる。
 執行部といまの官邸との関係が深まったようにもみえない。首相は今月21日に公邸に山口、井上両氏ら公明党幹部10人を招き会食したが、1時間余りでお開きになった。
 かつて新進党の小沢一郎党首が学会幹部と接触し、旧公明党グループの頭越しに選挙情勢分析などを進め、双方の関係に亀裂を生んだこともあった。今回も鬱積する公明党の地方からの不満が、党内で自民党との選挙協力の見直し議論に発展する兆しもある。
■高齢化進む支持層
 公明党が小選挙区で自民党の候補者を応援し、自民党が「比例は公明へ」と訴える手法は定着した。だが党内には、今回の選挙結果を踏まえ「比例はあまり取れなくても、小選挙区の候補者を増やして手堅く取った方が全体の議席数は増えるのではないか」との声もくすぶる。
 学会内にも「高齢化が進む一方、若い支持者の中には政治に無関心で選挙活動に消極的な人もいる」(職員)との指摘もある。党執行部は統一選まで1年以上ある来年2月24日に全国の地域代表者を集めた会議を開き、19年の統一地方選と参院選に向けた準備を本格的にスタートする。