つくば西スマートIC開通――スマートICの整備がもたらす地域の可能性と、土浦への波及効果

2025年3月23日、つくば市島名地区に「つくば西スマートインターチェンジ(IC)」が開通しました。圏央道の常総ICとつくば中央ICの中間に位置するこのスマートICは、ETC専用・24時間利用可能な新たな出入口として整備され、地域住民や企業にとって大きな利便性をもたらす交通インフラとなりました。

この事業は、2015年、当時の石井啓一国土交通大臣によって事業化が決定され、つくば市と茨城県、そして国が一体となって進めてきた成果です。周辺の住宅地や工業団地、さらには筑波山観光エリアへのアクセスが大きく改善され、移動時間の短縮や物流効率の向上といった実利をもたらしています。

注目すべきは、このスマートICが単なる交通利便性の向上にとどまらず、「防災・減災の要」としても期待されている点です。常総ICが鬼怒川や小貝川の浸水想定区域内にあるのに対し、つくば西スマートICは内陸部に位置しており、水害時のリスクを回避できる“代替経路(リダンダンシー)”としての機能を果たします。緊急時の避難ルートや救援物資の輸送ルートとしての役割は、今後さらに重要性を増していくでしょう。

このような流れは、私の地元・土浦市においても極めて重要な意味を持ちます。現在、常磐自動車道における新たなスマートインターチェンジの整備が具体的に検討されており、国・県・市の連携のもとでその実現に向けた動きが加速しています。土浦市におけるスマートICの設置は、霞ヶ浦周辺地域へのアクセス性の向上や地域活性化に資するのみならず、災害時の広域避難や医療搬送にも大きな意義を持ちます。

近年、気象災害の頻発や多様化により、地域の道路インフラは単なる“生活の足”から“命を守るインフラ”へと位置付けが変わりつつあります。こうした中、スマートICの整備は、防災・減災機能を兼ね備えた重要な公共投資であり、今後も地域の実情に即した形で戦略的に進めていく必要があります。

つくば西スマートICの開通を契機として、圏央道や常磐道をはじめとする広域交通ネットワークの価値がさらに高まりつつあります。土浦市におけるスマートIC構想も、まさに今後の地域づくりの鍵を握るプロジェクトの一つです。今後も、県議会の場を通じて、地域住民の声を反映させながら、より安全で利便性の高い交通インフラの整備に尽力してまいります。