茨城県総務部から、来年平成24年度の各部各課宛てのシーリング(予算要求限度額)の概要が通知されました。
この基本方針は、来年度の税収見込みを約100億円前後下回るとし、加えて公債費と社会保障関連費用で55億円程度増とし、財源不足約160億円に対応するもの。
そのうえで、県総合計画「生活大県いばらき特別枠」20億円(23年度30億円)を設定することでのシーリングです。
上記の編成方針から、一般行政費は項目別にメリハリをつけて、トータルで3%の減少、公共事業費も10%マイナスとしている。但し、震災関連事業は別とすることから、公共事業費の仕上がりは更に検討しなければならない。
いずれにしても、10年連続マイナスシーリングを余儀なくされる予算編成であり、もうすでに限界と言われる分野においても予算執行の効率性を求めなければならない。
平成24年度予算要求の基本方針について
1 財政収支の見通し・予算要求の基本方針
(1)平成24年度は、東日本大震災の影響等による税収減が見込まれる一方で、引き続き復旧・復興対策に取り組む必要があることや、公債費や社会保障関係経費が大幅に増加することから、本年度当初に想定された財源不足額(約160億円)の拡大が懸念される。
(2)このようなことから<持続可能で健全な財政構造の確立のために、全ての事務事業について聖域を設けず抜本的な見直しを行うなどの歳出改革・歳入確保、スクラップ・アンド・ピルドの徹底による限られた財源の重点配分などの予算編成・予算執行の改革など、第5次行財政改革大綱に掲げる財政健全化に向けた諸方策に一層徹底して取り組む必要がある。
あわせて、県総合計画における、目指すべきいばらきの姿「生活大県」の実現に向けた諸施策も着実に進める必要がある。
2 平成24年度要求限度額設定方針等(東日本大震災関連事業分は除く)
(1)義務的経費及びこれに準ずる経費 ・・・所要額
(2)一般行政費、公共以外の投資的経費・・・平均 △3%
① 個別調整が必要な事業 △1%
② 指定管理委託料、電算システム維持経費等 △3%
③ 法令等の施行経費〈庁舎などの維持管理費等 △10%
④ その他の経常的経費 △10%
(3)公共事業費(国補・県単) … △10%
(4)生活大県いばらき特別枠 … 20億円(投資的経費を含む)
(対象政策課題)
① 住みよいいばらきづくり
② 人が輝くいばらきづくり
③活力あるいばらきづくり
④ 知事特認事業
(5)歳入創出・歳出改革推進特別枠 … 行革効果が見込まれる場合の一時経費等
行財政改革推進の観点から、歳入創出・歳出改革の効果が高いと期待できる事業について、一時的な財政負担等を枠に加算。
(6)アイディアオリンピック等特別枠 … 所要額
アイディア.オリンピックにおける優れた提案等のうち、施策化の必要が高いと期待できる事業について、所要額を要求枠に加算。
(7)事務事業再構築特別枠 … 廃止事業費相当額(新規事業のみ)
施策の選択と集中を促進し新たな課題へ取り組むため、廃止する事業の一般財源相当額について要求枠に加算。(廃止事業2本あたり新規事業1本を要求)
(8)節約奨励システム枠 … 平成23年度の創意エ夫による節約相当額
3 留意事項
(1)各課・各グループごとにシーリングをそのまま適用するなど硬直的な予算要求とせず、部局長・課室長の主導で、横断的に抜本的な事務事業の見直しを行うこと。
(2)限られた財源・人員で、的確に政策目的を達成するため、業務の簡素化、無駄の排除、手順の合理化等に徹底的に取り組むこと。
(3)部局間の連携を密にし、県総合計画における施策展開の基本方向や、「生活大県プロジェクト」に位置づけられた施策群との整合を図ること。