【新防衛大綱】弾道ミサイル対処、離島防衛強化、大災害対応へ自衛隊の役割強化目指す。

 新聞紙上では、「集団的自衛権」の論議とともに、防衛大綱の策定が話題です。
 今日の公明新聞では、「防衛大綱」の基本的な考え方が掲載されており、まず、これを理解して各種の議論に発展させたいと思います。
 Q 防衛計画の大綱(防衛大綱)とは?
 安全保障と防衛力の在り方に関する基本指針です。
 策定からおおむね10年後を見通し、国を守るための態勢や装備の整備・運用について定めます。今の防衛大綱は2010年12月に閣議決定され11年度から実施されています。
 しかし、北朝鮮のミサイルや核兵器開発が進み、中国艦船が日本の領海侵犯を繰り返すなど日本周辺の安全保障環境が激変し、さらに、11年3月の東日本大震災で、自衛隊の災害派遣について貴重な教訓が得られたなどの情勢変化を受け、政府は1月に防衛大綱の見直しを決めました。
 防衛省は、年内に策定される新防衛大綱に関する議論を中間報告として7月に公表しました。
 Q 情勢変化への対応で特に注目された検討課題は?
 弾道ミサイル防衛、離島防衛、大災害への対応があります。
 弾道ミサイル防衛については「対処態勢の総合的な向上による抑止・対処能力の強化」との表現で、敵のミサイル基地に対する攻撃能力の保持についても検討の必要性を認めています。
 これは先制攻撃ではなく、発射準備など武力攻撃の着手があったと政府が認めた場合に限って行う正当な自衛権行使であると説明しています。
 Q 海兵隊的機能とは何か?
 離島防衛の強化のため、水陸両用部隊を充実させることを海兵隊的機能の確保と表現しています。
 防衛省は、米海兵隊のように海外への緊急展開能力をもち、陸上部隊だけでなく自前の戦闘機まで保有するような部隊にはならないと考えています。
 また、大規模災害への対応については、ロボット技術の災害派遣活動への転用のほか、最初期における迅速な救援活動が重要であるため、部隊の大規模・迅速な展開を可能にする輸送力の確保を強調しています。