“新たな挑戦・・土浦発イノベーション”とのテーマで県政報告

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 7月6日、八島いさお県議会議員は、土浦市内で県議会報告会を開催しました。以下は、県議会報告の内容です。(概要)

  • 本日は、公私ともにご多用の中、このように多くの皆さまにお越し頂きまして、八島功男の県議会報告をさせて頂きますこと、心より御礼申し上げます。ありがとうございます。この3年間の議会活動を報告させていただきます。
  • 3年前、東日本大震災を経験しました。県議会定例会委員会質疑の最中でした。かつて経験したことのない揺れに恐れながら、この世の終わりすら想像しました。県庁を後にし、国道6号の大渋滞に呻吟しながら6時間かけて土浦へ。まず土浦市役所の災害対策本部に向かいました。
    以来、東日本大震災・福島第一原子力発電所事故からの復旧復興が、最大の政策課題となりました。日立、高萩、北茨城、大洗、鹿島、神栖、潮来の被災地に参りました。南三陸、東松島、塩釜、石巻、陸前高田、仙台、女川を訪ねました。東海第二、福島第二、女川の原発も視察しました。
    現場に行く、現場を見る、現場で感じることで、喜怒哀楽が、心の叫びのように感じられ、胸に突き刺さりました。それは、筆舌に尽くしがたいものです。その様子は、ブログやフェィスブックで発信させて頂きました。
  • 東京医科大学茨城医療センターの保健医療機関指定取消に対する早期再指定署名運動や厚労省への要望活動も大きな成果と自負しています。地域医療を支える総合病院の危機を市民運動で最小限度にしたと考えます。
  • さて、本日の、県議会報告のテーマは、「新たな挑戦――土浦発イノベーション」としました。少しばかり大げさです。私自身を律する思いで決めたテーマです。常にチャレンジし、変革していく強い意志と覚悟が必要だと思います。
    超高齢社会と人口減少社会。この私たちが避けることができない日本の現状は、先進諸国の先進事例になるとも言われています。日本は、いかにして超高齢と人口減少の2極を乗り切るのかが注目されているのです。
  • そこで、「超高齢社会における社会保障体制をどうするのか」。
    その回答は、「地域包括ケアシステム」の構築にあると考えます。
    土浦市は、本年4月1現在の65歳以上高齢者が36,068人、高齢者率は24.87%。行政区で見れば、高齢化率30%超の行政区が74地区、最高は烏山4丁目の45.64%です。反対に高齢化率10%の行政区は12地区あり、最低はおおつ野5丁目の3.25%です。高齢化率の将来予想は、2025年で30.6%と予想されています。
    この「地域包括ケアシステム」は、鉢植えの植物をイメージします。ご本人や家族の選択と心構えのというトレーの上に、高齢者のプライバシーと尊厳が十分に守られた「住まい」「住まい方」という植物鉢が提供され、地域における生活の基盤となる「生活支援」「福祉サービス」の養分一杯の土に蓄え、その土壌から「医療・看護」「介護・リバビリテーション」「保健・予防」という植物を生い茂らせようとするものです。この目的は、私たちが生きるための「QOL(クオリティ・オブ・ライフ)」の高みを目指すものです。
    私は、「地域包括ケアシステム」の構築により、超高齢社会の特徴である認知症高齢者の急激な増加、単身、高齢者二人世帯の増加に、社会保障の的確な対応を目指して参りたい。加えて、その先に、ノーマライゼーション豊かな共生社会を展望したと思います。
    「日常生活圏域ニーズ調査」の結果運用を徹底し、医療・介護の施設ケアと在宅ケアのバランスを図りたい。また、認知症対策として認知症への理解を促進し、徘徊に対しては「徘徊SOSネットワーク」の整備活用を推進したいと考えます。市議会議員の皆さまと連携して推進して参りたい。
    「地域包括ケアシステム」は、私たちの「住まい」そして、「地域」を中心に置きます。これは、中川市長の言われる「日本一住みやすいまち土浦」に通ずるものです。わたくしは、「日本一住みやすいまち土浦」を作るために、一層の「住民の主体性」を最重要とするインフォーマルな地域資源に注目し、地域住民の知恵を汲取る市民協働の事業を展開したいと思います。
  • 次に、「人口減少社会に打つ手はあるのか」です。
    日本創成会議は、2040年に20~39歳の女性の数が9.8%の市町村で5割以上減少し、全国約1800市町村のうち523で人口が1万人未満になって消滅するおそれがある――とショッキングな発表をしました。
    土浦市は、2010年総人口143,839人中20~39歳女性17,260が、2040年総人口117,737人うち20~39歳女性は10,710人となり37.9%減少すると推定しています。
    出生率を見ると、日本全体の合計特殊出生率は、1.43、茨城県は、1.42とほぼ同じです。このままでは確実に人口が減少します。
  • 一方で、このような指摘もあります。人口減少への対応と言っても、「経済が成長すれば出生率が高まる」との発想は違うというものです。経済的にもっとも「豊かな」東京の出生率1.13は最低、県民所得もっとも低い沖縄の出生率1.94は最高です。つまり、経済優先やスピード重視の発想ではなく、時間的・精神的なゆとりある社会に、人口減集を押しとどめる鍵があるというものです。
    日本創成会議の提言は、「20歳代から30歳代前半に結婚、そして、第2子や第3子以上の出産・子育てしやすい環境づくり」が重要としました。加えて、人口減少の下で多額の債務を将来世代に負担のツケ回しすることないようにと指摘しました。
    更に、「東京一極集中」に歯止めをかけるために「若者に魅力のある地域拠点都市」をつくり「新しい人口集積構造」を目指すべきと提言しました。
    私は、土浦市こそ、人口減少にあがない、若者に魅力ある地域を、ゆったりとした時間軸、高いポテンシャルで作れる資格があると思えてなりません。
    その達成のためにも、本年3月28日に認定された「土浦市中心市街地活性化基本計画」を、土浦市役所移転のイメージ先行から茨城県南地域の広域拠点都市としての機能を強化し、「日本一の住みよさ」に特化して、民間投資を喚起する起爆剤として活用したいと考えます。
  • 更に、若い世代の経済的な不利な状況を打破するため、1つは、若者のための雇用・実務教育・住宅等の支援策を事業化し、2つは、ローカル志向の若者の増加を捉えて「若者の地域おこし」「農村へのリターン」を支援していくべきだと考えます。
    人口減少は、間違いなく地域コミュニティへの回帰です。土浦市など地域単位で「ヒト・モノ・カネ」が循環する仕組みへのイノベーションが必要です。
    これは、霞ケ浦、筑波山など、いずれも得難い、恵まれた自然環境があるからこそできる、地域の皆さんの知恵が発揮されて作りあげられるものです。今こそ、土浦発地域再生のイノベーションを起したいと強く願います。
  • 中心市街地の有り様として、土浦駅に直結する子育て支援中高層住宅を民間資金等の活用により建築してはいかがでしょうか。定住人口の増加には、東京通勤者の駅前周辺居住が欠かせません。新しい住民を受け入れる基盤が大事です。
    子育て住宅により、子どもたちの小中学校通学による朝の賑やかさが駅前などを元気にします。また、子育て終了ともに、土浦市郊外への移動を促進し、子どもたちの成長とともに市内をループする定住を促進したいと考えます。と同時に、優良な高齢者住宅を配置して、世代を超えた交流を土浦市の特色あるスタイルにしたいと思います。
  • 私は、霞ケ浦の恩恵とは、霞ケ浦が市街地であるとすればどのくらいの資産価値と経済効果があるかを知るべきだと申し上げてまいりました。つまり、水質浄化やアオコ被害を乗り越えて、確かな経済効果を得る必要があります。そこで、土浦港・土浦新港の一体的な活用、ヨット競技等の湖上スポーツの振興や、無事故でマナーの良い魚釣りの振興も大切だと考えます。
  • 交流人口獲得の柱としてサイクリングロード・リンリンロードと霞ケ浦周遊自転車道の接続と一体的整備を推進して参りたい。リンリンロードは、42.195㎞にすべきです。土浦駅直結の自転車専用土浦駅北口改札を作り、サイクルスポーツのためにロッカー・シャワー・メカニック・お土産売店があれば、駅直結のサイクルスポーツタウンとして交流人口の核ができると確信します。
  • 子育て支援の充実を図るために、出産から育児、就学までの切れ目のない安心の相談体制を整備したい。相談する、頼りになる経験豊かな先輩の皆さまを有償ボランティアとして活躍して頂き、地域の総力で子育て支援する土浦市にしたいと考えます。
  • 土浦市内小中学校に一貫校連係校の整備を促進すべきです。教育水準の高さが定住人口の増加に繋がります。
  • 農業との関わりを密にして郷土を理解し、自然を慈しむ子どもたちの成長を期待したいと思います。
  • これらは、徹底した「わが地域から発信」を基本とした政策展開です。時間の都合から全てをお話しできませんが、市民の意思、現場の知恵をどれほど汲み上げていけるか、への挑戦とも言えましょう。私たちは、我が地域に「住まう」土浦市民としての根っこをどこまでも大切に、住みよさ日本一の定住人口と地域を活性化する交流人口の相乗効果で、超高齢社会と人口減少社会に、挑戦して参りたいと思います。
  • 皆様の力強いご指導ご鞭撻を賜りますことを心からお願い申し上げます。ご清聴、ありがとうございました。