令和6年度の茨城県ふるさと納税の実績がまとまりました。県全体の受入額は約391億円に達し、前年より増加しています。一方で、寄付件数は減少し、1件あたりの平均寄付額が上がるという新しい傾向も見られました。これは、高額な返礼品や体験型の返礼品が寄付者の注目を集め、結果的に寄付者の層が変化してきていることを示しています。
県内を見渡すと、守谷市が約70億円でトップ、境町が約60億円、そして日立市が高額家電を武器に約32億円と続きます。注目すべきは、常陸太田市が前年の3倍以上となる約3億6千万円を集めたことです。各自治体が戦略を練り、それぞれの特色を活かしながら成果を上げている姿が鮮明になりました。

こうしたなか、私の地元・土浦市の実績は約8.99億円。前年度のおよそ6.2億円から大きく伸び、寄付件数も増加しました。平均寄付額も1件あたり1万6千円を超え、全国的にも堅実な成長を遂げています。これは、土浦ならではの魅力を返礼品としてしっかり形にできている証拠だと思います。
その中心にあるのが、「体験型返礼品」です。たとえば、日本三大花火のひとつである「土浦全国花火競技大会」の観覧席や駐車場券は、まさにここでしか味わえない特別な体験です。2025年は大会100周年を迎え、寄付者にとっても忘れられない思い出を提供する大きな契機となるでしょう。さらに、霞ヶ浦と「つくば霞ヶ浦りんりんロード」を活かしたサイクリングやアウトドア体験、宿泊やグルメと組み合わせたプランも人気を集めています。土浦のまちそのものを“体験”していただけることが、寄付につながっているのです。
私は、この流れをさらに発展させるために、三つの視点が重要だと考えています。
第一に、体験をパッケージ化すること。花火、宿泊、サイクリング、湖上アクティビティを一体化すれば、より高い付加価値が生まれます。
第二に、四季を通じた土浦の魅力を発信すること。春の桜サイクリング、夏の水辺の遊び、秋の花火とグルメ、冬の星空や温泉など、年間を通じてリピーターを呼び込める仕掛けが必要です。
第三に、家族や初心者でも安心して楽しめる工夫。安全講習やサポートを取り入れ、幅広い層に門戸を開くことで、寄付件数の底上げにもつながります。
ふるさと納税は、自治体にとって大切な財源であると同時に、地域の魅力を全国に伝える絶好の機会です。土浦市は交通と観光、歴史と文化が交差する場所だからこそ、「体験を通じて記憶に残るまち」として成長していく力があります。
これからも私は、土浦市の特色を最大限に活かし、ふるさと納税が地域経済の活性化と持続的な発展につながるよう、議会の場でしっかりと提案を続けてまいります。
