【保証協会】平成23年度概況から、県内信用創造の停滞を懸念し、リスクが取れる政策を検討したい。

 先日届いた茨城県信用保証協会の平成23年度保証業務概要を拝見しました。
 平成23年度は、東日本大震災の被災により茨城県内経済も、生産活動や個人消費の低下があったことは明らかでです。
 しかしながら下期に入り、の公共事業を中心に復旧復興の需要が見られた。と同時に、原油高や円高等の景気マイナス要因もありました。特に原発事故による電気料金値上げは企業収益圧迫することが懸念されましょう。
 この中で、中小企業の資金繰りや設備投資を支える信用保証協会の保証承認動向は、県内経済と関連雇用を占う重要な指標です。
 ①平成23年度の保証承諾は、33321件 2961億72百万円。これは前年比マイナス4874件(▲12.7%)、マイナス284億66百万円(▲8.7%)と、件数金額とも前年を下回る。業種的には、建設業が減少し製造業の構成比が増加している。
 ②保証債務残高は、104340件 7212億92百万円。これは前年比マイナス1841件(▲1.7%)、マイナス173億12百万円(▲2.3%)。保証利用企業者数は、40115企業で、シェアは43.3%との事。
 ③条件変更承諾は、2230億94百万円。実に保証残高の30.9%が、何らかの事情により当初条件をの変更をしている。
 ④代位弁済は、3324件 284億50百万円。これは前年比マイナス88件(▲2.5%)、マイナス3億2百万円(▲1.0%)。負債総額10百万円以上の県内企業倒産は、178企業(前年比マイナス4.3%) 負債総額708億37百万円(前年比マイナス36.8%)となった。金額では倒産企業の40.1%が保証協会付き債権であった。
 ⑤代位弁済に至った原因は、売り上げ減少(商況不況による不振)が最も多く景気の不冴が直接的に中小企業の経営を圧迫していることが分かる。
 上記のように、中小企業の信用供与は、震災による打撃と、一方にある特需要因がありながら、この20年来の不況から企業の体力の低下が、切実に迫るものと考えられます。
 また、一定の割合の金融機関責任割合が保証協会持ち込みを抑制しているとすれば金融機関にもリスクをとる覚悟とともに企業育成の信念が求められるでしょう。
 
保証種別では、東日本大震災復興緊急保証を推進しているもの上期は相応水準、下期は減少するなど、保証制度はあるものの、事業計画として成立しないことから保証承認とならないケースがあると思われます。
 
 県は、県制度資金の設計と利用状況の確認をし、適切な運用と信用供与増加に注力すべきだと考えます。加えて、緊急性に対応するスピート感がなければなりません。更なる実情確認を求めたいと思います。