土浦市教育委員会が、地道に息長く続けている活動に、「子ども郷土研究」があります。
今年で36回を数える歴史と伝統ある取組は、今般素晴らしい一冊の小冊子に纏められ、また子供たちの研究の成果が、上高津貝塚ふるさと歴史の広場(考古資料館)に展示されています。
研究の成果は、子供たちが足で稼いだものばかりです。体験を通して郷土つちうらの歴史を知るとは、先人への感謝に繋がります。そして、土浦市を誇りに思う心が生まれるとすれば、きっとこの子供たちが土浦の将来を担うものと感じられます。
土浦に飛来したツェッペリンの研究、そばを流れる新川の源流を探る研究、日本一のレンコンを調べ誇りある宣言をする研究、土浦市を縦断する水戸街道を史跡を辿って研究した成果が見られました。
ここに至るまでに担当した教員の先生のお力もあったと思います。子供たちの才能の芽は無限であり、大人たちが大人の都合で将来の可能性を閉ざしてはいけません。郷土の歴史研究は、身近な皮膚感覚に富む研究であり、郷土を愛する人材の陶冶であると思われ、何よりも子供たちの研究の深さに感銘しました。
同時ら上高津貝塚広場を散策し、資料館を見学しました。実家のそばの山裾野の崖にあった貝塚を思い出します。ここに私たちの祖先が確かに居たのです。海も迫っていたことでしょう。貝を採り、イノシシを狩り、自然災害を乗り越えた家族や集落がここにあったということです。そんな遥か悠久の時を思いながら立つことができます。