「こどもまんなか社会の実現への政策展開」八島功男議員の代表質問

9月10日県議会代表質問が行われ、県議会公明党の八島功男議員が質問に立ちました。 八島議員は、こどもまんなか社会の実現に向けた政策として、妊娠・出産の支援や子どもの居場所づくりに対する具体的な提言を行いました。

(1)プレコンセプションケアの推進を含む健やかな妊娠・出産を行える環境づくり

次に、「茨城県こども計画」を策定の時機を捉えて、子どもや若者の視点に立ち、子ども・若者たちにとって最善の利益を最優先に、当事者である子どもや若者の意見を政策に反映する社会ビジョンである、こどもまんなか社会の実現への政策展開をテーマに、まずは、子ども子育ての入り口となるプレコンセプションケアの推進について伺います。
あらためて確認すると、茨城県の昨年(令和5年)に生まれた子どもの数が17年連続で減少となり、10年前に比べ33.4%減りました。出生数は14,898人、前年比1,007人のマイナスです。本県の合計特殊出生数は、過去最低の1.22であり、前年を0.05ポイント下回りました。

これらの要因は多岐にわたり、複雑であると考えます。晩婚化や晩産化、不妊治療の増加、教育費捻出への不安などが挙げられます。このような中で必要なことは、「茨城で産み、育てたい」との環境整備が急務であるということです。
プレコンセプションケアとは何か。プレは「前に」、コンセプションは、「受胎・妊娠」です。将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合い、未来の子どもたちの健康の可能性を広げるものです。産後ケアも重要です。リスクある妊娠の増加にもしっかり対応しなければなりません。
本県では、茨城県助産師会に委託し「助産師が伝えるプレコンセプションケア」事業を単年度で推進しています。同時に、いばらき結婚・子育てポータルサイトは、各相談窓口を開設した相談体制があります。県内では、笠間市を皮切りにプレコンセプションケアに対する支援もあるようです。
私は、是非とも、県として、相談希望者に寄り添い、生育サイクルに伴走しながら、実効性ある「プレコンセプションケアセンター」を新たに開設して頂きたいと考えます。時には、グリーフケアの対応なども含め、県内の若者に万遍なく行き渡る、専門性あるプレコンセプションケアの司令塔の役割を担って頂きたいと思います。

ついては、県が目指す「日本一、子どもを産み育てやすい県」を実現するため、プレコンセプションケアの推進を含む、健やかな妊娠・出産を行える環境づくりについて知事の御所見を伺います。

(2)子どもの居場所づくり

次に、子どもの居場所づくりについて伺います。自分という存在を確認し、自己肯定感を自覚するためには、「居場所」があることは不可欠です。居場所のないことは、孤独・孤立の問題に深く関係していることは間違いありません。そして、居場所とは物理的な「場」だけではなく、子ども・若者が居場所をどう感じるかであり、自ら決めるものと考えられます。

私たちは、子どもたちの声を聴き、子どもたちの視点に立ち、子どもたちとともに居場所を作って参りたいと考えます。居場所を増やし、居場所とつながり、居場所の安心・安全を磨き上げ、変化する居場所の在り方を確認し続けなければなりません。居場所と言っても、人と人のつながりがなければ居場所の価値は見いだせないのではないと考えます。

この居場所づくりは、県内の民間団体や地域、学校や企業の理解と共有が必須であり、とりわけ、福祉部門と教育部門の連携が重要です。地域のつながりは希薄化し、少子化で地域力は劣化しています。児童虐待や不登校など子どもを取り巻く環境は厳しさがあります。価値観が多様化し、寛容な受容を複雑にしています。居場所を子どもたちのレジリエンスの学びの場としたいと考えます。

このような中、県は「茨城県こども計画」の策定に取り組んでいます。行政の垣根を越えた広範囲なテーマであると承知していますが、茨城県らしい子どもたちに未来の夢と希望を示すことのできる計画を期待したいと思います。

ついては、こども計画における取組としての子どもの居場所づくりについて知事の御所見を伺います。