【ねじれ国会】参議院は、「良識の府」、なぜ「政争の府」になるのか。政局主義の悪弊を排除すべきだ。

 7月21日決戦の参議院選挙の最大ポイントが、「公明・自民与党が参議院で過半数」にあることは論を待ちません。されは、決められない政治が「衆参ねじれ」にあるとことが明白だからです。
 今通常国会も、自ら参議院の存在を問うかのように「ねじれ」の悪弊を表しました。国民の呆れた顔を民主党は理解できないのでしょう。これは「0増5減」というあらかじめ約束されたことすら履行できない民主党の体質にあると多くの国民は考えます。
 以下、本日付の公明新聞社説は、「ねじれ」の実態を明確に指摘しています。
 自公の過半数確保で 経済再生、復興加速を実現へ
 通常国会の最終盤で、衆参両院で多数派が異なる「ねじれ国会」の厳しい現実が、また明らかになった。
 小選挙区の「0増5減」を実現する区割り改定を行う改正公職選挙法は24日、衆院本会議で3分の2以上の賛成で再可決され、成立した。
 公職選挙法改正案は、4月23日、衆院で可決、参院に送付されたが、民主党など野党が審議に応じず、60日が経過したため、憲法59条の規定で参院が否決したとみなして衆院での再可決となった。
 同改正法は、最高裁が「違憲状態」と判断した「1票の格差」を2倍未満に収めるための緊急避難措置であり、マスコミからも「参院で審議しなかったのは、野党の怠慢というしかない」(「日経」 25日付社説)、「立法府としてこのうえない怠慢の責任は、他の野党を巻き込んで先行処理に反対した民主党にある」(「産経」 同主張)などと厳しい批判が浴びせられている。
 近年、ねじれ国会による「決められない政治」の実例は少なくない。
 海上自衛隊のインド洋での給油活動に関する特措法の期限切れに伴う再可決(2007年)や、ガソリン税の暫定税率維持をめぐる混乱(08年)など、外交や国民生活に打撃を与えたこともあった。
 また、国会同意人事では参院で「ノー」となれば、白紙に戻ってしまう。08年に日銀総裁人事が2度にわたって参院で否決され、20日間、「中央銀行の総裁空席」という異常事態になったことは記憶に新しい。
 本来、参院は「良識の府」として、衆院の抑制役を果たすことが期待されていた。合意を重視する政治であれば、ねじれ国会も克服できたかもしれない。だが、政権奪取を狙った民主党や、衆院選を有利に進めようとする野党は、参院を拠点に政権を揺さぶる戦術を続け、参院を「政争の府」にしてしまった。
 野党の「良識」に期待できない以上、自民、公明両党が参議院の過半数議席の獲得をめざすのは当然である。
 公明党は政権を支え、自民党単独政権では実現できない政策や地域からの国民の声を受け止め政策に反映する役割を担わなければならない。
 NHKが先週末行った世論調査では、自公両党が参院で過半数を確保することに対して、「望ましい」(「どちらかといえば」を含む)が61%と、「望ましくない」(同)30%を圧倒している。
 参院選に勝利し、経済再生や震災復興の加速化を確かなものにしていきたい。