【霞ケ浦環境化家具センター】歴史を知り、霞ケ浦の恩恵の中から、あるべき霞ケ浦の環境を創出しよう。

 茨城県霞ケ浦環境科学センターを訪ねて、1階の展示室などを見学して参りました。
 「湖沼とともに生きる」をテーマに、霞ケ浦の歴史・暮らし・生き物たち・水質・地球環境などを視覚や触れ合う展示で効果的に霞ケ浦の環境をアピールしています。
 展示の冒頭は、平成7年に開催された第6回世界湖沼会議の「霞ケ浦宣言」等が紹介され、本霞ケ浦環境科学センターの意義を明確にしていると思います。そして、展示と共に調査・研究も確実な歩みを進めているものです。
 2階では、各種の資料等が豊富であり、多くの方にセンターに来て頂いて霞ケ浦2対する理解や問題意識の共有を図りたいと思いました。
 なお、センターが発表した霞ケ浦の「アオコ情報」は以下の通りです。
 

2013年08月18日13時22分56秒0001

 

2013年08月18日13時22分56秒0002

 

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 以下は、霞ケ浦宣言です。 
1 人口と生物多様性に関する宣言
 人口と水の生態系とは相互依存の関係にあり、湖沼における環境悪化と生物多様性の減少は、人口問題や人間活動と緊密に関連しているため、我々は、以下のような努力を要請し、支持する。
1.人口増加による圧迫を抑制し、生態学的に持続可能な生活をめざすとともに、世界の富を分かち合うこと。
2.地球の生物多様性を保持するために開発されたプログラムを推進させること。
3.人間が湖沼に及ぼす生態学的な影響を最小にするようなライフ・スタイルへの転換をはかること。
2 開発計画が環境に与える影響に関する宣言
 我々は、水供給の問題が、世界各地で人類とその活動を維持するための大問題となり、あるいは急速にそうなりつつあることに注目する。国および国際レベルの大規模な水資源開発プロジェクトは、ますます重要になると思われる。それらの計画は、事前の環境影響評価、中間モニタリング、さらに広範な事後の評価の対象とされ、その詳細は種々の会議に報告して、国際的学習経験の一環とすべきであることを提案する。
3 知識と技術の移転に関する宣言
 第6回世界湖沼会議のすべての参加者は、学者、行政担当者、企業関係者、一般住民、報道関係者の別なく、等しく地球市民であって、それぞれ貴重な意見を持ち、幅広い経験に基づいて会議に貢献した。このように広い範囲の参加者が創出した精神は、将来も持続させなくてはならない。第6回世界湖沼会議においては、開発途上国の代表が多数参加したことにより、報告の内容がより充実したものとなり、世界の人々が十分な良質の水を得ることの困難さがよりよく理解できた。これら途上国からの参加を支援し、また人々および国家間の知識、経験、技術の交流を確立するために、以下のことを提唱する。
1.将来の会議においても幅広い多様な参加者を得て、知識と経験の移転を推進すること。
2.湖沼問題および陸水学の研究センターおよび研究機関からなる国際的なコンソーシアムを確立し、地域間および社会の諸分野間の適正な技術移転の最適化を図ること。
3.湖沼の水質改善のための技術開発とその応用の推進に引き続き努力していくこと。
4 パートナーシップに関する宣言
 湖沼とその流域の管理と保全は、もはや、各グループがそれぞれ個別に取り組むだけでは、効果的に行うことはできない。我々は、行政、産業界、学界、住民が、パートナーシップを構築し、世界の湖沼の環境回復とその望ましい管理に共同で取り組むことを求める。情報の共有と意思疎通は、パートナーシップの強化とよりよい意思決定に不可欠である。我々は、地域によって湖沼の特性が異なることを認識し、湖沼に依存する地域社会の住民とそれに適切に対応できる行政組織の間の協力に基づき、湖沼とその流域の管理に関する地域的な取り組みを求める。
5 環境教育についての宣言
 問題解決のためには、その基本的な理解が必要である。湖沼が受けるさまざまな影響は、土地利用、土地の形態、自然資源の利用の総合的な変遷の結果の反映である。我々は、環境教育、特に湖沼に関する教育をより重視する必要がある。さらに、湖沼についての環境教育は、社会人を含むすべての世代を対象とし、すべての国々において実施されなければならない。また、地域の文化と伝統に従って国別のカリキュラムを作成し、地域文化と全地球的な知識を統合し、減少しつつある世界の水資源の保全に地域社会が参加できるようにする必要がある。
6 総合的な流域管理に関する宣言
 湖沼に対するインパクトは、ほとんどがその流域における人間の行為の結果であることを認識し、流域の総合的な管理に対する支援を提案する。それは、景観、土地利用および流出特性に重大な変化をもたらすプロジェクトに対する環境影響評価を伴う詳細な計画に基づくものでなければならない。さらに、流域管理は、生物の生息環境に一層細やかな注意を払い、それに対応するライフスタイルへの適応をはかり、湿地などの自然生態系の自浄能力を保護し、あるいは計画のなかに取り込み、生態系の原理を重視した手法を採用しなければならない。
7 共通の理解に関する宣言
 我々は、湖の音に耳をかたむけ、人々、なかんづく女性と子供の声、また、科学の英知に深い注意を払おうではないか。さらに、過去の教訓に学んで将来の過ちを回避し、未来へのビジョンを描き、恒久的な持続性を達成することを期待する。我々の子供たちに、また、まだ生まれぬ子孫に対して恥ずかしくない遺産を残すために、このことを願うものである。 この宣言を作成するにあたって、霞ヶ浦に関係する皆様方に敬愛の意を表し、市民の意向がここに十分反映されるよう努めた。我々は、この会議に参加した人々に対して皆様が与えてくれた多くの貴重な貢献について、深い敬意を表するものである。 我々は、茨城県の皆様に対し、世界湖沼会議-霞ヶ浦’95-に集まった人々への暖かい歓迎に対し感謝の意を表するとともに、また、会議をこのような成功に導いたすべての関係者とボランティアの方々のご苦労に対し深い感謝の意を表するものである。