【はだしのゲン】戦争と原爆の悲惨さが迫る、漫画だからこそ訴える真実がある。子どもたちの心を信じて開架すべきだ。

 「はだしのゲン」を土浦市図書館でお借りしてきました。既に1、2巻が貸し出し中でしたので3~6巻をお借りし、1、2巻を予約して参りました。
 今日、「はだしのゲン」を今一度読もうと思ったのは、松江市の小中学校49校中39校が「はだしのゲン」を閉架措置しているとの報道があったからです。その経過は、昨年8月に市議会宛に「間違った歴史認識を植え付ける」との陳情があり議会は不採択にしたことに始まり、同12月に市教育委員会が内容を確認した際に「九日本軍がアジアの人々の首を切ったり女性への性的な乱暴シーンが小中学生には過激」と判断し、校長会で閉架措置を要請したことによるようです。
 その後、新聞報道によれば、陳情に対する協議をした前教育長と副教育長2人、同市教委の課長2人で閉架措置を求めており、教育委員会での会議されていないことも判明して基地用です。いかにも前教育長の感想や判断が先行し、陳情に対する無難な対応がなされて、「はだしのゲン」に対して真正面から検討された経緯がないように思われるのは残念です。
 土浦市図書館では、同館3階に開架式で蔵本されていました。司書職員の方からは、多くの方が読まれており愛蔵版のしっかりした体裁でも随分傷んでいます」と説明がありました。
 「はだしはゲン」は、かつて「週刊少年ジャンプ」に連載されており、私も子どもながらに強烈なシーンに驚きと怖れをもって読んだ記憶があります。と同時に、戦争と原爆の悲惨さのなかから二度と戦争を起こしてはならないと感じたことも甦ります。
 それはなぜか。それは、作者の中沢啓治さんの実体験であり、心から戦争反対の叫びが作画の一コマ一コマにあったからだと思います。
 「はだしのゲン」に対する賛否の意見が多数あることは良いことだと思います。議論すべきは、平和教育であり、悲惨な戦争の現実です。アメリカにおける教区知的な戦争に出兵した兵士の多くが心を壊して除隊すると聞きます。しかし、その真実を「はだしのゲン」のように簡潔に広く中等教育に活用できる術を聞いたことがありません。
 その意味で誇らしくも厳しい心揺さぶる漫画「はだしのゲン」を、子どもたちの心を信じて開架して自由に見られるようにすべきと思います。そして、大人たちは、真実に目を背けずに、知る限り戦争の悲惨さを語り継ぐべきではないかと考えます。
 

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