明治10年の設置以来136年の歴史と伝統を誇る土浦市立宍塚小学校が、その歴史に幕を閉じる閉校式を迎えました。
現在の児童数は39名。平成19年から複式学級が設置され土浦市内でも代表的な小規模校になっていました。土浦市は数多くの議論や地域住民の要望を受けながら、最終的に土浦小学校が校舎新築となる本年末を機会として統合の決断をしました。市議会の議決も拮抗した中で採決され、議論百出の中で決定したものです。
児童の教育の在り方には、数々の考え方があることと思います。少人数教育こそきめ細かな教育ができるというものです。これも十分理解できますが、複式学級の実態は、複数学年を同時に授業する窮屈なものであり、児童の成長には相応の数において児童と児童の中で切磋琢磨する事も必要です。私は、何よりも児童の教育機会の裾野を広げたようで幅広い出会いが成長の糧になると考えます。
また、宍塚小学校の立地の環境は、宍塚大池に代表される素晴らしい自然が特徴です。これは土浦市の財産です。地域の皆さまとの顔の見える親交の特徴は今後も消えることはありません。宍塚小校舎の跡地利用については、少し時間を掛けて地域の皆さまの意見を集約していっては如何でしょうか。
さて、閉校式では児童代表の立派な挨拶がありました。
彼女は、宍塚小がなくなることは淋しいと率直に述べながら、宍塚小でたくさんの思い出を作ったとして、
①環境学習では、宍塚大池の自然観察から季節の変化を感じ取り、里山の素晴らしさを知りました。希少価値の絶滅危惧種オニバスの栽培観察ができました。
②宍塚小の運動会は、地域と一体であり、地域の一員として、地域の応援に声を嗄らしました。
③全校合唱では全員の力を合わせることができました。
④ファミリー授業では、仲良く生活することを学びましたと述べ、
「ありがとう、さようなら宍塚小」と言葉で挨拶を終えました。
その後、校長先生から土浦市中川市長に校旗の返納があり、校庭では、閉校の記念碑の除幕式がありました。記念碑には校歌が刻まれ、裏面には宍塚小の歴史が刻印されていました。そして、多くの方が記念撮影して名残わ留めました。
今日の式典の最後は、茨城中・茨城高等学校吹奏楽部の記念公演です。心を込めた演奏で宍塚小の歴史を御子度に彩ってくれた演奏をお聴きすることができました。
少子高齢化は今後も進展し、土浦市内でも更に、新治地区や上大津地区でも小中学校の統合や小中連携の試みが進みます。未来を託す子どもたちの教育環境を守り発展させるために最善をつくすことが大切です。数ガスの議論を重ねながら将来を見据えて、新しい形態と適切なタイミングであるべき教育機会を守り抜きたいと思います。