【地域包括ケア】「健康で長生き」目指し、多様な地域ケア資源の発掘と活用を推進しよう。

 地域包括ケアシステムについて考えるとき、キーワードは何かについて悩むことがあります。
 これは地域包括ケアシステムの内容が幅広く課題も多いことから目指すべき姿を一言でいう事を難しくしているのではとも思います。「住み慣れた地域であるべき姿で生涯を送る」では、その通りながらピンとこないようにも思います。
 そんな中私が現時点で、やっぱりこれかなと考えるのは、「健康で長生き」が目標という事です。当たり前のことに戻ってしまったことに新しさのアピールが足らないかもしれませんが、゛健康で長生きできる環境づくりが地域包括ケアイシステムの展開となるのてはと考えます。
 以下は、「健康で長生き」めざす! 平均寿命日本一の長野県から、地域のケアシステム資源が友好に機能しているいると紹介された長野県の様子です。
 茨城県では、健康維持増進のために「シルバーリハビリ体操」が、指導士の形で有効に機能しています。長野県は、「保険補導員」とのこと。ここに学ぶこと大と思います。
 高齢になっても元気で生き生きと暮らせる社会をどう築くか。どの地域でも大きな課題だ。厚生労働省が2月末に発表した平均寿命に関する調査で長野県は男性、女性ともに都道府県別で1位となり、その他の暮らしぶりを示す統計でも上位を占めている【表参照】。
 今回は、同県内で進められている健康増進の取り組みを紹介する。
 独自の「保健補導員」制 経験者含め延べ25万人 食事の減塩など推進p001-01[1]
 長野県の健康づくりを支えてきたのは「保健補導員」。県内各地域で住民の保健予防や健康体操、食生活改善に関する調理実習、禁煙など、住民の健康を守る草の根の活動を展開してきた。
 その歴史は古く、1945(昭和20)年までさかのぼる。当時、結核や赤痢などの伝染病や乳幼児の死亡が多く、衛生環境は劣悪だった。そんな中、須坂市(当時の旧高甫村)に住む主婦らが保健婦の姿を見て「少しでも手伝いたい」と、自主的に活動を始めたのがきっかけだ。
 その後、保健補導員は県内各地で制度化され、現在のように市町村から任期2年などで任命される形になった。今年7月1日現在、県内で1万957人が保健補導員として活動している。統計が残る1973年以降だけでも延べ約25万人。その大半が女性で、県内の女性の5人に1人が経験していることになる。中には、母子2代にわたって保健補導員を務めるケースもあるという。
 現在、須坂市では、市内11地域ごとに毎月1回、健康に関する学習会を開催。内容は、ウオーキングの方法や、減塩とバランスを意識した食事作りを学ぶなど多彩だ。また、保健補導員経験者と現役の保健補導員が集まり、健康に関する新たな情報や知識を共有する取り組みも行っている。
 同市健康づくり課によると、保健補導員を経験したことで健康意識が高まる効果も。経験者からは「食事で減塩を心掛けて薄味に慣れた」「野菜を多く食べるようになった」「ウオーキングを実践するようになった」などの声が寄せられているという。
 地道な取り組みは、数字にも表れている。例えば、要介護認定率は全国17・6%、長野県の17・3%に対し、須坂市は13・5%と、県内19市の中で最も低い。
 小中学校で出前講座/全世代を対象に生活改善/松本市
 全ての世代を対象にした健康増進に取り組んでいる自治体もある。松本市では「健康寿命延伸都市」と銘打ち、地域ぐるみで健康づくりを推進。厚生労働省主催の「第1回健康寿命をのばそう!アワード」で優秀賞に選ばれている。
 具体的な活動として「こどもの生活習慣改善事業」では、市内の児童・生徒を対象に、血液検査や歩数計を使った運動量測定などを出前講座の形で行う。なぜ、子どもたちを対象にしたのか。2009年の学校健診で、善玉コレステロール値の低下や血糖値の異常、児童・生徒の肥満・痩せが全国平均よりも高いとの結果が示されたからだ。「子どもの時から望ましい生活習慣を身に付けなければ」という危機感から事業は始まった。
 具体的な内容は学校ごとに異なるが、「ヒップホップダンスを行う学校もあるなど、子どもたちが楽しみながら健康増進に取り組めるよう工夫を凝らしている」(市健康づくり課)。
 一方、若い世代も含めた認知症予防対策として、10年度から始めている「脳活ポイントプログラム事業」がある。これは、市内の公共施設や同事業に協賛している飲食店など企業の施設を利用すると、ポイントシールがもらえるというもの。シールを集めて専用はがきで応募すると抽選で豪華景品が当たる。はがきには、健診を受けたかどうかを記入する項目もあり、健康増進への関心を高めることにも役立っている。