【衆議院代表質問】支え合う、魅力ある、活力ある地域づくりに地域密着・現場第一主義で邁進。

井上幹事長の衆院代表質問(要旨)
2014年10月02日
 『安倍改造内閣の課題/目に見える成果を国民に』
 
 長野・岐阜県境の御嶽山が噴火し、噴煙・降灰等に巻き込まれ、登山者などに大きな被害が生じました。亡くなられた方々とそのご遺族に対し、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。
 厳しい環境の中、献身的に救助活動に当たっておられる自衛隊や警察、消防など関係者の皆さまに心より敬意を表し、感謝申し上げます。政府においては、引き続き救助活動に全力を挙げるとともに、今後の火山活動に対する万全な監視・警戒体制を敷き、周辺住民の安全の確保、降灰による農作物への被害の拡大防止などに努めるよう強く要請します。
 
 また、「平成26年8月豪雨」でも広島の土砂災害をはじめ、多くの尊い命が失われました。傷痕は深く、復旧・復興のめどが立っていない地域もあります。政府においては、災害復旧、さらには被災者の生活再建、メンタルケアを含めた健康管理など、引き続き、きめ細かな対応を求めます。
 東日本大震災、広島等での台風・豪雨による土砂災害、そして今般の御嶽山の噴火など、あらためて、日本が災害多発国であることを思い知らされました。
 いつやってくるか分からないのが災害です。国民一人一人が防災への意識を高めるとともに、ハード、ソフト両面にわたる防災・減災対策の強化が急務です。
    ◇ 
 さて、安倍改造内閣が始動しました。私たちは、東日本大震災からの復興の加速、経済の再生、社会保障と税の一体改革の推進を最優先課題として取り組んできましたが、さらに全力を傾注し、国民に、目に見える確実な成果を示さなければなりません。
 その上で、少子高齢化、人口減少社会の中で、将来にわたって活力ある日本社会を維持するための「地方創生」、女性や若者が活躍できる国づくり、また、近隣諸国との関係改善と国際貢献への取り組みなど、課題は山積しています。
 政治にゴールはなく、常に改革・挑戦です。謙虚な姿勢で国民との対話を通じて、理解と合意形成に努め、国民のための政治を貫き通していかなければなりません。そのことを安倍総理、そして新布陣となった閣僚の方々に強く申し上げたいと思います。
 『大震災から3年半/今後もきめ細かな支援必要』
 東日本大震災の発災から3年半が経過しましたが、いまなお、25万人近い方々が避難生活を強いられています。
 この現実をしっかりと受け止め、被災者が一日も早く、当たり前の日常生活が取り戻せるよう、復興加速化への取り組みを進めていく決意です。
 福島の一部を除き、社会インフラの整備を含めた復旧にめどが立ち、生活再建、まちづくり、農業・漁業・林業を含む産業・なりわいの再生など、復興に向けた課題へとステージが移行しつつあります。
 被災者にとって最も重要な住宅再建は、2015年度末には、高台移転による宅地造成が約5割の1万戸、災害公営住宅は約7割の2万戸が完成する見込みになっていますが、これをさらに加速させなければなりません。これまで、用地取得手続きの簡素化や運用改善などの加速化措置を講じてきましたが、今後一層、地元・市町村が抱える課題や進捗状況に即した、きめ細かな支援が必要です。
 沿岸地域の基幹産業である漁業については、水揚げ量が震災前の7割にまで回復する一方、水産加工品等の売り上げの回復は大幅に遅れています。金融面はもちろん、販路の確保・拡大など再生を後押しする支援が必要です。
 福島の再生に向けては、原発事故の収束や廃炉・汚染水対策、除染等の課題があるものの、ようやく復興に向けた動きも見え始めました。「福島イノベーション・コースト構想」などの復興ビジョンも、具体化に向けて動き出しています。
 そうした中、福島の本格的な復興への大きな一歩となる中間貯蔵施設について、福島県知事が受け入れを表明されました。その英断に心から敬意を表したいと思います。
 地元の十分な理解と万全な安全対策を講じつつ、汚染廃棄物の搬入が来年1月から開始できるよう、政府を挙げた取り組みを求めます。
また、受け入れの前提である「30年以内に、福島県外で最終処分を完了する」ことや、中間貯蔵施設にかかる国の責任について、その趣旨がはっきりと分かるよう法律に明示すべきです。
 震災からの復興は、「道半ば」です。集中復興期間が15年度までに終了しますが、その後の財源を含めた国としての取り組みについて、被災地から不安の声が上がっています。
 残り期間が1年半となり、また、最終年度の15年度予算案の編成が本格化する中で、被災地が集中期間後も安心して復興に取り組めるよう、財源の確保や国の取り組みについて、具体的な方向を示すべきと考えます。
 『日本経済の再生/賃金上昇への環境整備が重要』
 足元の日本経済は、雇用と所得環境の改善等により、緩やかに回復していくことが期待される一方で、駆け込み需要の反動の長期化や最近の円安、天候不良等によるガソリン、生鮮食料品の高止まりなど下振れリスクもあります。
 実際、家計においては、物価上昇に所得の上昇が追い付かず、実質可処分所得は増えていません。「“好循環”はどこで回っているのか」というのが国民の生活実感ではないでしょうか。
 昨年に続いて再開した「政労使会議」の積極活用などで、企業収益を着実に賃金上昇、雇用確保につなげるための環境整備が重要です。
 また、景気を下支えするためにも、今後、思い切った補正予算の編成など、適宜適切な対策を講ずるべきです。
 【地域発の成長戦略】
 今年6月に改訂された日本再興戦略に基づき、成長戦略を本格的な軌道に乗せていかなければなりません。成長戦略は、世界の市場を相手にしたグローバル経済の視点と同時に、「地域再生」からの視点が重要です。
 むしろ我が国経済の再生、成長のカギは、国内総生産(GDP)や雇用の約7割、8割を占める地域経済の活性化にあると考えます。特に、その大半を占める中小のサービス業を中心に、経営・金融支援を強化することや、人材教育、ITの活用などにより生産性の向上を図っていくことが重要です。女性や若者はもとより、高齢者や障がい者が働きやすい環境を整備し、就労を促すことも欠かせません。
 また、例えば、地域の金融機関を巻き込んだ「産・学・金・官ラウンド・テーブル」による事業創出など、地域の自主性に基づいた「地域の好循環」の実現に向けた取り組みを、国も積極的に支援していくことが効果的だと思います。
 【社会保障と税】
 社会保障と税の一体改革は、当時与党であった民主党と、野党であった自民、公明3党が合意した国民との約束であり、成立した法律に沿って社会保障の安定・充実を図っていく責任があることは言うまでもありません。
 来年10月の消費税率の引き上げについては、内閣が、経済状況等を総合的に勘案し判断することとされており、それを尊重することは当然です。
 その一方で、仮に引き上げを先送りした場合の、社会保障の安定・充実や財政健全化目標への影響、市場の評価などのリスクを考えると、予定通り実施できるように経済環境等を整えることを最優先すべきではないかと考えます。そのためにも、思い切った補正予算の編成など、適宜適切な対策を講ずるよう重ねて申し上げます。
 また、消費税の軽減税率については、世論調査などでも常に8割近くの国民が賛成をしており、基幹税目としての消費税の役割を考えると、逆進性対策と同時に、「消費税への理解を得る」との観点からも、導入すべきです。
 与党間における「10%時に軽減税率を導入する」との合意に沿って、制度設計を急ぐべきと考えます。
 『地方創生の取り組み/産業と雇用の場を確保せよ』
 地方創生のキーワードは「人」です。政府の「まち・ひと・しごと創生本部」の名称の通り、「まち」と「しごと」の真ん中に「ひと」がある、このことが重要です。「ひと」が要であり、中心になければ、地方創生はしょせん、形だけに終わります。
 「ひとが生きる」、そのために地域における行政サービス、特に医療・介護などの社会保障や教育の充実・確保を図りつつ、地域で生計が立てられるよう、“なりわい”としての産業と雇用の場を確保する、この両輪をかみ合わせながら、個性あふれる、安心して住み続けられる地域をつくっていく、それが地方創生だと考えます。
 今般、公明党は、こうした視点に立ち、全国の地方議員と議論を重ねながら「活気ある温かな地域づくり」をめざす提言を取りまとめました。その提言に沿い、以下、質問します。
 【支え合う地域づくり】
 第一は、“支え合う地域づくり”です。超高齢社会に突入する我が国においては、高齢者が地域の中で、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスなどを一体的に受けることができる「地域包括ケアシステム」の構築、推進が不可欠です。そのための財源を適切に確保し、地域の実情に即して活用できるようにすべきです。
 その上で、在宅医療や介護を可能とする訪問看護や、小規模多機能型の居宅介護サービスの全市町村での実施、さらには、生活支援サービスと組み合わせた高齢者住宅の確保などが重要です。
 関連して、認知症対策にも力を注ぐべきです。「オレンジプラン」を抜本的に見直し、地域における早期診断・治療・ケア・相談など総合的な支援体制の充実を図るなど、認知症の人とその家族を支え、できる限り住み慣れた地域で生活できる環境を整えるべきです。
 また、こうしたサービスを支える介護人材を確保するため、処遇の改善はもとより、介護職のイメージアップのために「福祉人材確保指針」を抜本的に見直し、国を挙げて取り組むべきです。
 さらに地域の支え合いには、多様な支え手の協力が不可欠であり、NPO、ボランティア、民間事業所などによる新たな地域支援事業の展開が必要と考えます。
 【魅力ある地域づくり】
 第二に、“魅力ある地域づくり”です。全国的に人口減少が進む中で、年間10万人程度の若年層が東京圏への転入超過となっています。地方から見れば、若年層の流出で高齢化に拍車がかかり、地域の活力がさらに奪われかねません。
 こうした人の流れを転換するため、地方のUターン・Iターン・Jターンを促す支援策を構築し、若者の地方就職を進めるべきです。また、地方への定住支援として、都市部の若者が過疎地で暮らしながら地域協力活動を行う「地域おこし協力隊」が大きな成果を挙げており、さらに事業を拡大すべきです。
 また、魅力あるコミュニティーを形成するため、コンパクトでスマートなまちづくりも欠かせません。地域の中小企業の人手不足を抜本的に解消するためのマッチングの仕組みや、地域資源のブランド化などによる新たなビジネスモデルの展開など、地域の特性をフルに発揮できる仕組みを構築すべきです。
 【安心な地域づくり】
 第三に、“安心な地域づくり”です。国と地方が連携し、地域の防災・減災対策を抜本的に強化すべきです。特に、橋梁や上下水道、道路、学校施設などの老朽化対策、耐震化を計画的かつ効率的に進めていくべきです。
 また、防災や防犯等の観点から、空き家対策も重要です。放置された空き家は、倒壊や火災発生の恐れ、さらには犯罪の温床となるなど、問題は深刻です。周囲に迷惑をかけているような空き家は除却を促し、使用できる空き家は地域の活性化のために利活用するなど、問題解決に向けた法整備を早急に進めるべきと考えます。
 【活力ある地域づくり】
 第四は、“活力ある地域づくり”です。これからの地域の担い手は、女性や若者です。
 公明党は、女性が輝く社会を構築するための「女性の元気応援プラン」を取りまとめ、提言しています。チャイルドファースト社会をめざした待機児童解消、特に明年4月に本格的に実施される「子ども・子育て支援新制度」について財源確保を含めた着実な推進が欠かせません。妊娠・出産、産後ケアを通じてワンストップで母子の健康を支えていくことも重要です。
 一方、若者を取り巻く環境は、正社員か非正規かという働き方の二極化や起業における障壁、地域からの疎外など、活力を発揮し難い隘路に陥っています。
 キャリアアップ助成金の活用等による非正規労働者の正社員化など、雇用対策を強化するとともに、創業・起業支援など、未来を担う若者が活躍できる環境整備に努めるべきです。
 『農林水産業の活性化/自給率、真摯に議論すべき』
 政府は、「攻めの農林水産業」をテーマに、6次産業化や「和食」の魅力発信を含む農林水産物の輸出促進、農林漁業の所得向上や地域活性化に向けた施策を展開してきました。農林水産業の活性化は、地方創生の重要な柱であり、以下、具体的に伺います。
 【農業】
 日本の食料自給率は、カロリーベースで40%を下回る水準で推移しており、50%という目標に対し大きな開きがあります。食料の安定的な確保や自給力の向上は、国の重要な責務であり、新たな基本計画の策定に向け、真摯に議論すべきと考えます。
 昨年、コメ政策の見直しや農地中間管理機構による農地集約を決定したほか、本年は農協・農業組合などの改革にも着手しました。農協改革は、この秋からさらなる議論が進められますが、農協がこれまでに果たしてきた役割を踏まえ、現場の実態に即した自己改革を尊重しつつ、検討を進めるべきです。
 主食用米の供給が需要を上回る中、農協から農家へ支払われる概算金が昨年より大幅に下落し、コメ農家は苦悩しています。営農を継続できるよう、当面の資金繰りへの支援などの経営安定対策とともに、コメの消費拡大にも取り組むべきです。
 また、潜在需要が見込まれる飼料用米の生産に安心して取り組めるよう、数量目標を掲げるなど、生産と需要のマッチングを強化すべきです。
 農地の集約化を推進するために、農地を借り受けて担い手へ貸し付ける農地中間管理機構が全県で整備されました。
 この秋からいよいよ本格的な農地の利用調整が始まりますが、市町村段階の推進体制の整備や制度の周知徹底など、国・地方を挙げて取り組みを進めるべきと考えます。
 【林業】
 国土の約3分の2を森林が占める日本において、森林資源の循環利用は重要な課題です。地域材の安定的・効率的な供給体制の整備を進めるとともに、耐震性・耐火性に優れた直交集成板(CLT)などの普及を加速化させるべきです。
 そのためにも、20年東京オリンピック・パラリンピック関連施設への国産材の積極的な活用を推進すべきと考えます。
 【水産業】
 水産業については、水産物の安定的な供給と産業の健全な発展のために、資源管理の一層の推進が必要です。また、世界各地での魚介類の消費増を踏まえ、養殖業の持続的な発展と輸出の促進に力を注ぐべきです。
 他方、国内では水産物消費の減少傾向が続いており、手軽においしく食べられる水産物「ファストフィッシュ」や、地元の漁師が自信を持ってすすめる「プライドフィッシュ」の推進など、消費拡大に向けた取り組みが重要です。
 さらに、漁村地域の活性化のためには、水産物の高付加価値化などで所得の向上を総合的・戦略的に進めることも必要です。また、当面の燃油高騰対策にも万全を期すべきです。
 『医療に充実/「緩和ケア」の普及を急げ』
 【難病対策】
 先の通常国会で、患者・家族の方々の悲願であった難病対策の新法が成立し、恒久的かつ安定的な制度が確立しました。この結果、まずは、8月に医療費助成の対象として110疾患が選定され、今後の認定で最終的には約300疾患にまで対象が拡大されることとなっています。
 医療費助成と併せ、効果的な治療方法の確立と医療の質の向上による疾患の克服こそが患者の最大の願いです。特に超希少難病の治療薬や医療機器の研究・開発については、国としても強力に支援していくべきと考えます。
 【がん対策】
 がん対策について伺います。第一に、がん検診受診率の向上です。基本計画では、16年度までに、原則50%という目標を掲げているものの、現状は3割台にとどまっています。企業・自治体を含めた連携・協力で、一層の普及啓発に努めるべきです。
 また、無料クーポンの配布とともに、乳がんや子宮頸がん検診の対象者に、お知らせの送付や電話などで個別に受診を勧める「コール・リコール制度」がスタートしました。さらに、精密検査を要する人への再勧奨を推進するなど、対策を強化すべきです。
 学校等における「がん教育」の全国展開も極めて重要です。今年度、全国21地域70校でモデル事業を実施し、さらに今後、教材等の開発を進める予定になっています。児童・生徒が授業を通して、がんを知り、命の大切さを学び、将来の検診受診率の向上に結び付くような教育を推進すべきです。
 苦痛を和らげる「緩和ケア」については、がん医療に携わる全ての医師が研修を受けるべきと定めていますが、病院間で大きな格差が生じています。研修を病院まかせにせず、今こそ国を挙げて取り組むべきです。
 『再生可能エネルギー/具体的で野心的な目標示せ』
 我が国の発電電力量における再生可能エネルギーの割合は、水力発電を除けば1・6%程度であり、欧米主要国に比べて依然として少ないのが現状です。
 本年4月に閣議決定した「エネルギー基本計画」に基づき、再生可能エネルギーの導入促進を図るための司令塔として「再生可能エネルギー等関係閣僚会議」が創設されましたが、第1回会合以降、目に見えた進展がありません。
 我が国にとって、再生可能エネルギーの導入促進は急務です。普及に向けては、固定価格買取制度の適切な運用をはじめ、低コスト化・高効率化に向けた技術開発や、大型蓄電池の導入、送配電網の増強といったインフラ整備などの施策を加速させなければなりません。
 公明党は、2030年を目標に、総発電量における再エネの発電割合30%をめざすべきと考えており、国としても具体的かつ野心的な目標を早急に提示すべきです。
 併せて、再エネへの民間投資を誘発するため、子や孫に再エネに関する投資を資産として贈与した場合、贈与税を軽減する「緑の贈与制度」を創設すべきと考えています。
 『アジア外交/重層的な対話の促進を』
 【日中、日韓関係】
 日中関係については、11月に予定されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に向け、経済協力分野をはじめ、関係改善に向けた対話の機運が高まっています。
 こうした中、日中間の偶発的な軍事衝突を避けるための「海上連絡メカニズム」の設置に向けた協議の再開が合意されたことは、前進です。
 こうした動きを好機と捉え、政府・与党が連携し、あらゆるチャンネルをいかした重層的な対話を促進していくことが重要と考えます。
 明年、国交正常化から50年を迎える日韓関係を含め、中韓両国との関係改善にどう取り組まれるのか伺います。
 【新たな安保法制の整備】
 我が国を取り巻く安全保障環境が変化する中、国民の生命と財産を守るため、切れ目のない安全保障法制を整備することは極めて重要な課題です。
 さる7月1日、新たな安全保障法制の整備のための基本方針が、自公両党の協議を経て閣議決定されました。今後は、この閣議決定や、これを受けて行われた7月14、15日の衆参予算委員会における安倍総理ならびに内閣法制局長官の答弁を十分に踏まえ、法整備を行うことが重要だと考えます。
    ◇ 
 公明党は、本年11月17日、結党から50年を迎えます。幾多の困難を乗り越えて、今日を迎えられたのは、公明党に夢や希望を託し、幅広いご支持・ご支援を寄せてくださった皆さまのおかげであり、あらためて心より感謝申し上げます。
 公明党は、「大衆とともに」の立党精神を不変の原点とし、「中道」すなわち「<生命・生活・生存>を最大に尊重する人間主義」の旗を掲げ、常に庶民・大衆の側に立った政治の実現をめざしてきました。この間、福祉の充実や政治腐敗との闘い、日中国交正常化への貢献や安全保障政策における国民的な合意形成など、日本の政治に大きな役割と足跡を記してきたと自負しています。
 民主政治にとって、政党の役割は極めて重要です。多様な民意を受け止め、それを集約して合意形成を図る政党の存在がなければ、議会政治は成り立たないと言っても過言ではありません。
 公明党が「大衆とともに」の立党精神を大事にし、現場第一主義に徹してきたのは、国民の声をきちんと受け止め、それを政治に反映するという不断の努力なくして、国民の信頼に基づく政治は築けないと考えてきたからです。
 これからも公明党は地域密着型の政党として、現場第一主義を貫き、地方議員、国会議員のネットワークを通じて、国民の声を政治に届けることをお誓いし、私の代表質問を終わります。
 『井上幹事長に対する安倍首相らの答弁(要旨)』
 【安倍晋三首相】
 一、(御嶽山噴火への対策などについて)二次災害に留意しつつ救助活動に全力尽くす。今回の経験を踏まえ、火山活動の監視を強化するなど防災対策にスピード感を持って取り組む。
 一、(5年間の東日本大震災の集中復興期間が15年度で終了することについて)区切りとなる15年度予算は必要な額をきちんと措置していく。16年度以降も、被災者の心に寄り添い、しっかりと対応する。
 一、(賃金上昇、景気対策について)「政労使会議」での議論などを通じ、経済の好循環実現に向けた環境整備を図り、賃金上昇、雇用拡大が達成される状況を実現していく。7―9月期のGDP速報値など各種の経済指標をよく見ながら、経済の状況などに慎重に目配りしていく。
 一、(介護人材の確保について)介護職のイメージアップや国民の理解促進を図るため、福祉人材確保のための国の指針を見直し、総合的な方策を講じる。
 一、(中国、韓国との関係改善について)11月に北京で開かれるAPECで日中首脳会談ができればよいと考える。韓国とも、お互いに努力を重ね、さまざまな国際会議の機会に首脳会談ができればよい。政府・与党が連携し、あらゆるチャンネルを生かした重層的な対話を促進していくことが重要だ。
 【太田昭宏国土交通相】
 一、(防災・減災対策について)雨の降り方が局地化・集中化・激甚化していることや、首都直下地震、南海トラフ巨大地震の発生が切迫していることなどから、ハードの整備とともに情報伝達や避難体制を構築するなどソフト対策も総動員し、防災・減災を重視した地域づくりを徹底して進める必要がある。