公明党は、結党50年を経て、次の50年に向けて勇躍前進している。
この50年に連綿と紡いできたネットワークという横糸と、先輩後輩と言う伝統の継承を今また真剣に考えなくてはならないと思う。
新年になってあらためて識者の期待する公明党の50年を鑑みて、公明新聞に掲載された記事を転載したいと思います。
公明党の掲げる「中道」とい政治路線を考えるときに、読売新聞特別編集委員の橋本五郎氏の記事は端的であり確信ではないかと思います。
中道と合意形成、慈悲と福祉、格差への対応などは示唆的です。
どうぞご覧ください。
現実的「中道」の大切さ
公明新聞:2014年11月6日(木)付
福祉の改革へ、まい進を
結党50年 公明党を語る
読売新聞特別編集委員 橋本 五郎 氏
政党が存続するには、存続するだけの意味がなければならない。しかも、単純に存続すれば良いということでもない。結成50年の公明党は「大衆とともに」という立党精神を掲げ、既存の政党では吸収できなかった層、日本社会の中でこぼれ落ちた人の声を吸い上げようと努めてきた。そのことが50年間存続している一番の理由だろう。
私は、あまりに極端な政治の姿は好ましくないと思っている。政治の場で、片方の意見が絶対に正しくて、もう片方が絶対に間違っているということはない。できるだけ多くの人のコンセンサス(合意)を求めていくことは簡単ではなく、非常に辛抱強さが必要な作業だ。その意味で、公明党が掲げる現実的な「中道」路線こそ日本の政党にとって大切なものではないか。事実、PKO(国連平和維持活動)、社会保障と税の一体改革、今回の安全保障法制の議論の時もそうだった。
中道とは、時代によって政策が変わると思う。時には「軸がない」「曖昧」と言われるかもしれないが、決して極端に走らないという意味で大事なことだ。政策を判断するにあたって、常に「不利になっている人はいないか」との思いをめぐらせることが必要だ。
政党が掲げる理念と実際の行動にはどうしても乖離が生じる。そこで大切なのは「自分たちの理想に向かって、こういう階段で進む」と常に国民に示す努力だ。自ら掲げた政策がすぐできるかのように誇大広告したり、自らの基本政策や政策実現性を問うことなしに、外に向かって“社交”をやろうとする政党はダメだ。
日本は、寛容で慈悲を重んじる国だ。現代的に言えば、慈悲とは福祉とも言えるだろう。慈悲は恩着せがましくなく、奥深いものだ。公明党は福祉の党を標榜している。今は福祉をどう効率的に、持続していくかが問われている。今後は「福祉の改革の党」として、安心できる社会保障の構築をお願いしたい。その実現には、消費税増税などある程度の負担は必要だろう。
日本社会は「分厚い中間層」に支えられ、安定を生み出してきた。公明党はこうした層を支えるとともに、そこからこぼれ落ちた人を助ける視点を大事にしてほしい。今で言えば「格差」の問題だ。多くの人たちは、実態を示す数字上の「格差」以上に格差の広がりを実感している。地方組織を持ち、約3000人の議員がいる公明党は、このことを念頭に置きながら、党を挙げて格差是正に取り組んでほしい。