【介護報酬】介護職員の月額給与は1万2千円程度アップを確保。

この問題こう考える<2>
介護報酬引き下げ/サービス低下つながらず/月1.2万円の職員処遇改善を実現/事業別加算で従来並みの収入確保も可能に
2015年03月05日 2面
 介護サービス事業者に支払う「介護報酬」が4月に改定され、2・27%の引き下げとなります。これを受け、「介護報酬引き下げはサービス低下につながる」との指摘がありますが、報酬引き下げイコール、サービス低下という話ではありません。
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 世界で例のない超高齢社会を見据え、社会保障制度の維持と安定のためには、時にかなった改革が必要です。介護分野においては、より適切なサービス提供と、それを支える介護人材の確保、処遇改善が喫緊の課題です。
 そこで2015年度予算案では、他分野に比べ低く抑えられている介護職員の給与について、1人当たり月額1万2000円程度を別枠で確保し、引き上げます。また、今回の報酬改定では、より利用ニーズが高い認知症の人向けのサービスに取り組む事業者や、在宅生活を支える定期巡回・随時対応サービスを行う事業者などには報酬を手厚く加算することで、これまで並みの収入を確保することが可能となっています。利用者の視点で見れば、サービス向上が期待できる内容です。
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 介護保険制度が始まった00年度の介護費用は約3兆6000億円でしたが、14年度には10兆円に。全ての団塊の世代が75歳以上となる25年には21兆円にまで達する見込みです。毎月の保険料も、現在の約5000円から8200円程度に増えるともいわれています。
 介護報酬はサービス利用料や保険料に直結しています。報酬を1%引き下げれば、国民負担は年間約1000億円軽減できます。今回の改定で、65歳以上の介護保険料は当初、全国平均5800円となるところが、230円抑えられ、5500円程度となる見通しです。
 40歳から64歳までの保険料上昇も抑えられます。
 これからも公明党は、必要な介護サービスを充実させつつ、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられる社会づくりに全力で取り組んでいきます。