茨城県内各市町村の市町村別介護保険料が示されました。
この介護保険料は、第6期(2015年~17年)の3年間のものです。地域包括ケアシステムの構築を目指して、各種の施設新設やサービス需要を考慮して決定されました。
結果は、茨城県平均は、月額5,204円であり、前期比676円(14.9%)の増加です。第1期が2,393円、第2期2,613円、第3期3,461円、第4期3,717円、第5期4,528円と推移しました。ついに、5,000円を超えたことが注目されます。5,000円超の市町村が29市町、県平均超が19市町です。
土浦市は、5,000円となり、前期比250円、5.3%の増加となりました。
茨城県内では、大洗町の5,980円が最高金額であり、最低金額は、美浦村の4,500円となります。この差異は、1,480円ですから、市町村格差が大きいと言わざるおえません。また、前期比較では、1,260円増加の常陸大宮が最大幅であり、東海村の40円・守谷市の75円が最小幅となります。これらを見てもね各市町村の高齢者人口と今後の特別養護老人ホームや老人保健施設等のハード面の新設等の計画が反映した結果と思われます。
今後は、このような市町村格差をどう捉えていくのかが課題だと思います。更に、介護保険の利用者と非利用者の差異についても保健である以上仕方ない面を考慮しても何らかの措置が必要ではないでしょうか。
介護保険のみならず、給付と負担の問題を、あらためて多くの方に理解して頂かなければならない時が来ています。地域包括ケアシステムを構築するためには、介護にならない生活習慣の醸成と適切な在宅介護の態勢整備が必要です。更に進展する高齢化のなかで、高齢者がどのように生き抜いていかなければならないのかを考えたいと思います。
以下は、4/3付け茨城新聞の一面です。
2015年4月3日(金)
介護保険料、県平均14・9%アップ、29市町村5000円以上
県内の65歳以上の介護保険料が本年度から、県平均で676円高い月額5204円になったことが2日、県のまとめで分かった。各市町村が介護予防を強化するなど保険料の抑制に向けた取り組みを進めているものの、全市町村で引き上げられた。引き上げ率は平均14・9%で、月額5千円以上の自治体が29市町村に上る。
改定された介護保険料は2015〜17年度(第6期)分で、各市町村が3年ごとに、期間内に見込まれるサービス需給量などを踏まえて見直す。県平均の月額は00〜02年度(第1期)が2393円でスタート。その後、2613円、3461円、3717円、4528円と改定されるごとに引き上げられ、今回初めて5千円を突破し、第1期の約2・2倍となった。
市町村別で介護保険料が最も高くなったのは大洗町で、前期(12〜14年度)から25・9%(1230円)引き上げられ5980円となった。このほか5千円台は水戸市の5900円、つくば市の5892円など。逆に最も低いのは、城里町と美浦村の4500円で、大洗町との差は1480円。
前期からの引き上げ額は、40円(東海村)〜1260円(常陸大宮市)と幅広く、9市町で一気に千円以上引き上げられた。
引き上げ率の最高は28・6%の坂東市で、4160円から5350円となった。20%を超えたのが坂東市を含めて10市町あり、一方で東海村は0・8%で最も低く、前々期まで3期連続で最高額だった守谷市は1・7%の引き上げにとどめた。
今期最高額となった大洗町は「前期は東日本大震災直後で、できるだけ抑制するよう考慮したが、今期は介護認定を受ける人の割合が高まり、難しかった。さらに介護予防に力を入れ、引き上げにご理解を得られるよう丁寧に説明していきたい」(町福祉課)とした。
介護保険サービスは利用者負担が1割で、残りの額の50%を保険料で賄い、国と県、市町村が50%を負担する。今期からは40〜64歳の負担割合が29%から28%に減る一方、65歳以上は21%から22%になったことも、今回の大幅引き上げに影響している。被保険者が支払う保険料はそれぞれの所得によって異なる。
県地域ケア推進室によると、県内で14年10月末現在の65歳以上の人口は75万1103人で、要支援・要介護認定を受けた人は11万1277人(14・8%)。17年度には高齢者が約80万人となり、このうち13万人が認定を受けるとみられ、認定を受ける人は25年度まで増え続ける見込み。同室は「今の制度設計が変わらない限り、今のところ介護保険料の引き上げが止まる材料はない」とした。(小池忠臣)