【農福連携】障がい者の心身のリハビリに有効、農家の労働力不足を補てん、課題を乗り越え新しいマッチングを。

 昨日は、「選ばれる茨城」のために、農業と若者について考えてみました。
 今日は、農業と福祉の連携について考えてみたいと思います。
 障がいを持つ方の就労拡大と高齢化する農業労働力のマッチングは是非とも取り組まなければならないテーマであると思います。農業のもつパワーが障がいを持つ方のパワーとなることは間違いありません。
 以下は、公明党山本博司参議院議員の質問の主旨を引用するものです。 
   「農福連携」で地域の潜在力生かす
 障がい者が農作業の担い手となって水田や畑などで働く「農福連携」の取り組みについて。
 『障がい者が農業の担い手に』   『就労先の拡大や工賃向上に期待』
 「障がい者にとっては、就労先の拡大につながり、工賃のアップにつながることになる。農業者側にとっても、高齢化で不足する労働力を補うことができる。農福(農業と福祉)連携の取り組みを国としても積極的に推進すべきだ」
 公明党の山本博司氏は3月17日の参院予算委員会で、こう訴えた。
 地域の潜在力を生かす取り組みとして、農福連携が全国で広がっている。
 例えば、愛媛県砥部町の障がい福祉サービス事業所「メイド・イン・青空」では、地域で増え続ける耕作放棄地を借りて、自然栽培でコメや野菜などを作っている。工賃は、雇用契約に基づく就労が困難な障がい者のための同様の事業所と比べ、4倍以上の月約6万円に上り、25人の障がい者が喜々として働いているという。
 農林水産省が行った実態調査(2013年度)によれば、農業活動に取り組んでいる障がい福祉サービス事業所は33・5%に達し、「今後、農業活動をやりたい」と回答する事業所も12・7%に上る。今後、農業と福祉のつながりは強くなっていくと予想される。
 農福連携の仕方はさまざまだ。
 (1)農家や農業法人などが障がい者を労働者として雇用する
 (2)障がい福祉サービス事業所が、保有する土地や農家から借り入れた農地で農産物の生産を行う
 (3)障がい福祉サービス事業所が農家から農作業を請け負い、その作業に障がい者が従事する
 ――などがある。
 
 農業分野と障がい福祉分野が連携する利点は多い。福祉側にとって農作業は、工夫次第で障がいの程度や能力に応じた仕事をつくりやすく、自然環境に触れながら取り組むため、心身のリハビリ効果もあるといわれている。一般就労に向けた訓練にもなる。一方、高齢化や後継者難などで悩む農業側にとっても、不足する労働力を補うことができ、連携が進めば、耕作放棄地の有効活用にもつながる。
 『互いの理解・情報が不足』  『両者をつなぐ“橋渡し役”必要』
 連携は双方にとって活路になる可能性があるが、進める上での課題もある。
 福祉側が農業分野に踏み込みにくい主な理由として、農業の知識・技術がないことや農地の確保が難しいことなどが指摘されている。一方、農業側は、障がい者に適した業務のあり方、事故やけがの心配、障がい者との関わり方などに不安を感じている。
 これらの要因の一つは、福祉側と農業側の接点が少なく、お互いの理解や情報が不足していることである。障がい者就農に詳しいJA共済総合研究所の濱田健司主任研究員は、「農業サイドと福祉サイドをマッチング(適合)させる仕組みや、農業の現場で技術指導や支援を行う人材が必要だ」と指摘する。
 このため、コーディネーターを配置して、農業と福祉施設の橋渡しを積極的に進めるところもある。香川県では、特定非営利活動法人(NPO法人)香川県社会就労センター協議会が窓口となり、農家と福祉施設をマッチングする取り組みを行っている。具体的には、同センターが農家と請負契約を結び、協議会に加盟する福祉施設に作業参加を募集・依頼する。作業完了後、施設に報酬を出来高で支払い、施設が作業者に工賃として還元する。ニンニクなどの収穫作業に多いときで30人以上の障がい者が働いているという。
 鳥取県でも10年度から、農福連携を推進する事業に力を入れている。県の東部、中部、西部に各1人ずつコーディネーターを配置して、農家側から必要としている仕事内容を聞き出し、福祉施設につないでいる。13年度は84件の連携が行われた。こうした各地で行われている取り組みを広げる必要がある。
 一方、障がい者の賃金を向上させるためにも、農福連携によって生産された農産物をより売れるようにしていく取り組みも欠かせない。農産物の生産だけでなく、ジャムや漬物など食品加工をはじめとした6次産業化に取り組み、工賃向上につなげている例もある。濱田氏は、農業と福祉の連携だけでなく、商業サイドや農協などとも連携する「農福商工連携」の重要性を訴える。
 政府は、農業分野で障がい者を就労する際の注意点などをまとめたマニュアルや、支援制度についてまとめたパンフレットを作成している。ただ、実際に取り組む上で、相談先などに悩むケースは少なくない。先進事例や支援策の周知を徹底するなど環境づくりを進めることが求められる。