【ケアローソン】高齢者向け商品が充実、介護サービスの相談できる居宅介護支援事業所機能付きのコンビニが新登場。

 一昨日の公明新聞に、気になる記事がありました。
 それは、「ケアローソン」です。この「ケアローソン」は、埼玉県川口市にあります。
 コンビニエンスストア(コンビニ)の大手、株式会社ローソンが先月3日、埼玉県川口市内に、「ケア(介護)ローソン」(ローソン川口末広三丁目店)をオープンさせました。介護が必要な高齢者や、その家族を支援する新しいタイプのコンビニです。
 「ケア(介護)ローソン」は、一般的なコンビニ商品に加え高齢者向けの商品が充実している。さらに、介護サービスを相談できる居宅介護支援事業所の機能も併せ持つもの。
 この支援事業所は、ローソンと、埼玉県を中心に介護事業を展開する株式会社ウイズネット(髙橋行憲・代表取締役社長)がフランチャイズ契約を結び、運営している。ローソンがコンビニ分野、ウイズネットが介護分野のノウハウを提供する。店舗全体の経営はウイズネットが担当する。
 介護支援専門員(ケアマネジャー)が対応する相談窓口店舗の商品約4000種類のうち、介護関連商品が約70種類。例えば、寝たままでも水を飲める吸い飲み容器、水分にとろみを付けるとろみ剤、大人用おむつ、かむ力が弱い人のためのレトルト食品などだ。今後も増え続ける「シニア世代を意識」(ローソン広報室担当者)しており、一般的なコンビニには置いていない商品も多い。
 居宅介護支援事業所として、店内に相談窓口と相談室を開設。介護支援専門員(ケアマネジャー)が、相談を受け付けている(利用時間は毎日午前8時30分~午後5時30分まで)。店内に設置された相談窓口には、毎日平均3~5人が訪れる。有料老人ホームへの入所や介護保険の利用方法などに関する相談が多いという。
 また、相談窓口や相談室の近くに、自由に利用できるサロンスペースも設置。オープン初日には、サロンスペースで、ウイズネットに所属する看護師らの担当で、無料の骨密度検査を実施。約80人の高齢者らが利用した。
 「ニュースや新聞記事を見て、わざわざ車で来店してくださる人もいる。シニア世代の利用も多く、商品をまとめ買いしていく人もいる」(寺田雅彦・同コンビニ店長)と、好調な滑り出しだ。
 今夏、サロンスペースをより充実させた「ケア(介護)ローソン」2号店をさいたま市近郊にオープンする予定。今後、全国に同様の店舗を展開していく考えだ。
 一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会によると、協会に加盟する10社のコンビニ数は、全国で計5万2397店(2015年3月時点)。コンビニ数は飽和状態ともいわれ、各企業は、他業種と連携したり、独自サービスの開発など事業の多角化に躍起だ。
 都市部、地方を問わず、スーパーや商店街が減っていく中で、高齢者のコンビニ利用頻度は増えている。“コンビニといえば若者”のイメージは変わりつつある。高齢の単身世帯や夫婦世帯にとって、近くにあり、一定の品をそろえたコンビニに対する抵抗感はないようだ。ローソンでは、お客の約4割が50歳以上だという。
 こうした中で、家族の誰かを介護しなければならなくなった場合、介護する家族は市役所や地域包括支援センター、居宅介護支援センターなどに足を運ばないといけない。
 身近なコンビニで相談できれば、介護家族の負担を減らせる。「コンビニを通して、介護の世界をもっと分かりやすく伝えたい、垣根を低くしたいという思いがあった」と寺田店長。
 ローソン広報室の担当者は「コンビニはただ商品を売るだけでなく、『ローソンを選んで良かった』と思ってもらえるような存在になりたいと考えている。お客さまの健康をサポートするのも、その一つ」と語っていた。
「地域密着」という共通の基盤生かす
株式会社ウイズネット代表取締役社長
髙橋 行憲氏
現在、高齢者が住み慣れた地域で介護や医療、生活支援など必要なサービスを一体的に受けることのできる「地域包括ケアシステム」の構築が、国と地方の大きな目標になっています。こうした流れの中で、「地域密着」という介護とコンビニに共通する基盤を活用して、住民の皆さまのお役に立てる新しいビジネスを展開したいと考えてきました。
商品を売るだけでなく、福祉関連の情報を提供したり、介護相談に応じることができるサロンスペースの設置を具体化したものが、「ケア(介護)ローソン」です。コンビニには1日平均700人が来店するそうです。地域の高齢者にも気軽に立ち寄ってもらい、情報収集や介護相談に使ってもらえば、お年寄りの「行き場」づくりにもなります。
今後は、認知症患者やその家族が交流する「オレンジカフェ」などのイベントをサロンスペースで開催する予定です