衆議院平和安全法制特別委員会の質疑に、公明党から北側副代表が立ちました。
与党協議の公明党の中心であり、法制制定をリードしてきた北側副代表は、「政策判断の三つの視点」を阿部総理から明確にしてこの法制が平和外交と安保で紛争を防ぐものとしました。
以下は、公明新聞からその質疑を掲載します。
平和外交と安保で紛争防ぐ/衆院平和安全特委で北側副代表/自衛隊らしい貢献を/首相 軍事作戦は参加せず
2015年05月29日 1面
『政策判断の三つの視点』
(1)わが国の主体的判断
国益、国際情勢、国内世論など
(2)自衛隊にふさわしい役割
自衛隊の能力、装備、経験など
(3)平和外交努力
外交交渉、非軍事分野での貢献など
衆院平和安全法制特別委員会は28日、国民を守るための隙間のない防衛体制を整備するとともに、国際社会の平和と安全のための貢献を進めることを目的とする「平和安全法制」の関連法案の質疑を行い、公明党の北側一雄副代表が質問に立った。
冒頭、北側副代表は、同法制の目的である隙間のない防衛体制の整備について「わが国の防衛のための日米防衛協力体制の信頼性、実効性を強化することに眼目がある」とし、「抑止力を高めて紛争を未然に防止できる」と語った。また、国際社会への貢献については「国際社会の平和と安全があってこそ、わが国の平和と繁栄も維持できる」とし、首相の見解をただした。
安倍晋三首相は「国民の命と暮らしを守ることが、ただ一点の目的。未然に紛争を防ぐことにつながり、国際社会を平和で安定させるこの法整備を進めたい」と答えた。
また、北側副代表は、今回の「平和安全法制」は(1)憲法第9条、第13条との適合性(原理)(2)「自衛隊派遣の3原則」などの法制度(原則)(3)政策判断(視点)――の3段階で成り立っていると指摘。その上で、政策判断の基準として(1)日本の主体的判断(2)自衛隊にふさわしい役割で貢献(3)平和外交による努力――の三つの視点を示した。
この判断基準について安倍首相は「わが国の主体的判断のもと、自衛隊の能力、装備、経験に根差した自衛隊にふさわしい役割を果たすが、その前提として、外交努力を尽くすことを重要な視点として、政策判断を下していく。この3点を、判断基準としたい」と述べた。
一方、北側副代表は、自衛の措置の新3要件の第3要件にある「必要最小限度」について質問。横畠裕介内閣法制局長官は、「『わが国の存立を全うし、国民を守るため』とある第2要件を前提としている」との見解を示した。
これに対し北側副代表が「自国防衛のため、国民の権利と国の存立を守るための『必要最小限度』と理解している」としたのに対し、横畠長官は「指摘の通り」と答えた。
最後に北側副代表は、14日の「平和安全法制」の閣議決定後の会見における、安倍首相の過激派組織「イスラム国」に対する発言について確認を求めた。
安倍首相は「政策判断として今後も軍事的な作戦を行う有志連合に参加する考えはない。『イスラム国』への空爆等への後方支援を行うことは全く考えていない」とあらためて強調。その上で、「わが国ならではの人道支援を拡充し、非軍事分野において、国際社会における日本の責務を毅然と果たしていく」と訴えた。