選挙権年齢を現行の「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる公職選挙法改正案が衆院を通過し、今月中にも成立することが確実となりました。
来年夏の参院選から適用される見込みで、高校3年生を含む約240万人の若者が新たに有権者の仲間入りをするものです。
過去40年来、その実現を訴え続けてきた公明党の取り組みがついに結実します。
18歳選挙権は世界の大勢です。況んや、世界に類例がないスピードで少子高齢化が進行するわが国。膨らみ続ける社会保障費の負担をこれから支え続ける将来世代が、主権者として政治参画する意義は諸外国以上に大きいと言えます。
民主主義は、参加の枠を広げることで成熟の度を増すという特質を本来的に持ちます。日本の議会政治も、有権者の規模を拡大するたびに、民主主義をより高次のステージに進めてきた歴史があります。
30歳から25歳へ、20歳へという選挙権年齢の引き下げしかり、階級や性差の枠を払う完全普通選挙制度への歩みしかり。今回の法改正の本質的な意義も、民主主義の深化と拡大というこの一点にあると言えましょう。こ
しかしながら、年齢を引き下げるだけで若者の政治参加が進むわけではありません。
現実にも、若者の投票率は極端に低く、前回衆院選での20代の投票率は32・58%にまで落ち込んだ現状があります。選挙や政治に対する未成年者の関心、責任感を社会全体で育んでいく必要がある。
なかでも重要なのは、学校現場における主権者教育の充実だろう。政治的中立性を確保しつつ“生きた学習”をどう行うか。高校生の政治活動を禁じた1969年の文部省(当時)通知見直しの是非も含め、検討を急いでほしい。
それ以上に重い責任を持つのが政党・政治家。時代の変化とともに民意は複雑・多様化する一方にあるが、多くの政党はそれを吸収できず、結果として若者の政党・政治離れを加速させている。政党は今こそ、自らの復権に全力で取り組む必要があります。