平成27年6月10日の私の一般質問の速記起こしができましたので、順に掲載したいと思います。
最初は、冒頭の挨拶部分と橋本知事への質問です。
冒頭の訴えは、公明党として地方創生に取り組む姿勢を述べ、「ひとが生きる、地方創生」のために、これからの施策は、「切れ目ない」と「見える化」が重要としました。
橋本知事への質問は、茨城県版総合戦略策定に対して、「官民連携」「と「地域経済連携」が重要と述べ、ビックデータの活用を訴えました。
以下をご覧ください。
平成 27 年第 2 回定例会 八島功男 議員(公明党)一般質問質疑全文
質問 八島功男
公明党の八島功男です。
地方創生のキーワードは「人」です。「まち・ひと・しごと創生本部」の名称の通り、「まち」と「しごと」の真ん中に「ひと」がある、このことが重要です。「ひと」が要であり、県民が中心になければ、地方創生は所詮、形だけに終わります。
「ひとが生きる、地方創生」、そのために県、市町村における行政サービス、特に医療・介護などの社会保障や教育の充実・確保を図りつつ、同時に、地域で生計が立てられるよう、“なりわい”としての産業と雇用の場を確保する、この両輪をかみ合わせながら、茨城らしい個性あふれる、安心して住み続けられる茨城県をつくっていく、それが地方創生だと考えます。
私は、今回の質問で、人が生まれてから亡くなるまでの生涯の有り様を鑑み、「切れ目ない」と「見える化」の視点から、行政施策と行政システムについて橋本知事はじめ各部部長に伺いたいと思います。
1 茨城県版総合戦略策定への取り組みについて
質問 八島功男
初めに、茨城県版総合戦略策定への取り組みについて、知事に伺います。
本県では、地方創生戦略への取り組みとして、「茨城県まち・ひと・しごと創生本部」を立ち上げ、茨城県版の「人口ビジョン」と「総合戦略」の策定に向けた検討を開始しました。
「地図から名前が消える」との警鐘は、私たちに衝撃を与えました。そして、「消滅可能性都市」という言葉は、地方に生き残りをかけた取り組みの必要性を突き付けました。国は、従来の政策を検証した結果、「縦割り行政」「全国一律」「バラマキ」「表面的」「短期的」との評価を下しています。まさしく、その通りではないかと納得する結果です。そして、「まち・ひと・しごと創生」の5原則として、「自立性」「将来性」「地域性」「直接性」「結果重視」を示し、新しい政策展開を求めています。
国は、「縦割りや重複を排除し、地域における産業、雇用、企業等の技術開発やイノベーション創出等の施策を一体的に推進する組織として、産官学金労に加え、住民代表からなる総合戦略推進組織を整備することが望まれる」としています。私は、更に、女性の積極的な参画を図るとともに、情報発信のためにマスコミの力も併せて、大きな官民連携体制により、総力戦で取り組む必要があると考えます。
また、全県一律の、いずれの市町村も類似した活性化策では、地域の独自性の発揮には至らず、地方創生の施策がうまく機能しないことは容易に想像できます。そこで、茨城県及び市町村が自らの地域の現状と課題、更に地域特性を把握し、地域ごとの課題を明確にする必要があります。経済産業省は、ビッグデータを活用した地域経済の見える化システムである「地域経済分析システム(RESAS)」を提供し、市町村を横断する産業構造や人の行動範囲を共通して理解するためのツールとして活用しようとしています。これらは、経済活動や人の移動可能性を深く分析し検討することで、市町村間の広域連携を標ぼうし、成長の拠点となる地域とその周辺地域などの役割分担を明確にすることに他なりません。ついては、経済自立圏を意識した広域連携が重要と考えます。
そして、茨城県民に対し、「選ばれる茨城」の将来像を示すこと、すなわち「見える化」のシステムを活用した政策を遂行していく必要があります。
そこで、「選ばれる茨城」づくりに向けて、官民連携、ビッグデータの活用、広域連携の観点から、茨城県版総合戦略策定への取り組みについて、知事に伺います。
答弁 橋本昌知事
八島功男議員のご質問にお答えいたします。
茨城県版総合戦略策定への取り組みについてお尋ねいただきました。
本県の地方創生を効果的・効率的に推進していくためには、住民や関係団体、民間事業者等の参加・協力が大変に重要でありますことから、戦略の策定段階において、広く関係者の意見が反映されるよう、「茨城県まち・ひと・しごと創生会議」を今月二日にスタートさせたところであります。
この創生会議には、産業界や大学、市町村、金融機関、労働団体、メディアの代表はもちろん、結婚・子育て支援など、各分野で活躍されている女性の方々にも委員として就任していただいており、官民一体となって、総合戦略を検討してまいります。
また、戦略のさくていにあたりましては、本県の強みや弱みなど、地域の特性を踏まえた対応策を検討する必要があることから、データに基づく客観的な分析により、現状の課題を把握することが、極めて重要であります。
本県では、従来から社会経済指標などの統計データについて、わかりやすく全国比較や県内比較ができるように、毎年、「茨城早わかり」・「市町村早わかり」という小冊子を作成しておりますが、こうした分析が戦略策定にも大変役立つと考えております。
さらに、今回、国において、地方の戦略策定を支援するため、所謂ビックデータの提供を一部開始したところであり、このシステムを活用すると、人口動態や県内外の交流状況、地域の産業をリードする中核企業候補などを分析することができるとされております。
今後、農林水産業や医療福祉、教育に関する統計データ等も拡充されることから、こうしたデータをできる限り活用した客観的分析を行い、地域の課題を明確にして、必要な施策を検討してまいりたいと存じます。
議員ご指摘の地域経済に着目した広域連携につきましては、県内九地域で県と市町村、金融機関等により地域産業活性化協議会を設け、企業誘致等に取り組んでいるところでございます。
また、市町村においては、従来から県央地域首長懇話会や県南地方総合振興協議会、県西地域総合振興協議会などの場を活用し、広域的な対応が必要となる課題に取り組んでいるところでありますが、今般の地方創生への取り組みの中では、北茨城市、高萩市、日立市の三市において、共同して調査研究を行うなどの動きもでてきているところでございます。
一方、県都市町村が積極的に連携して施策に取り組むことが重要であり、県としたいしましても広域観光や移住の促進はもとより、(仮称)県北国際アートフェスティバルの開催や、筑波山や霞ケ浦などの自然環境を活かしたサイクリング環境の整備など、地域間の連携を深め、それぞれの特色を活かした地域づくりを市町村と協力しながら進めているところでございます。
本県の総合戦略の策定あたりましては、まち・ひと・しごと創生会議などを活用し、できるだけ多くの方々から、幅広くご意見をうかがうとともに、議員ご提案のビックデータによる経済や人の流れの分析等も踏まえながら、広域連携の視点も十分に取り入れて、全庁あげて、全力で取り組んでまいります。