【決算特別委員会】決算審査に更なる工夫を。主要政策の成果に関する報告書の改定案を質疑。

 3度目の決算特別委員会委員として、種々思索のうえ決算審査の主となる「主要政策の成果に関する報告書」について、報告のあり方と書式について提案して質問しました。
 以下は、質問の原稿です。
茨城県議会決算特別委員会決算審査について質疑
2015.12.11決算特別委員会
 本決算特別委員会は、県の予算執行状況が適正かどうかを審査するために設置される委員会であることは、今さら言うまでもありません。
 それは、「主要施策の成果に関する報告書」の冒頭にあるように、地方自治法第233条第5項の規定により、知事から議会に報告される決算諸表、そして予算執行実績の報告があり、私たち委員会は、同条第3項にある「監査委員の審査に付した決算を監査委員の意見を付けて次の通常予算を議する会議までに議会の認定に付さなければならない」ものです。
 私は、決算審査について、こう考えます。既に事業としては終了した、後戻りできない事業ではあるけれど、「認定」するための議論の中から、経験と実績に学んで、次の事業展開の推進策を見いだそうとするものだと考えています。
 決算諸表の計数面のみで読み解くことは本当に難しい。では、どうすれば良いのか。やはり、決算諸表を具体的に捕捉する「主要政策の成果に関する報告書」の審査に面目があると。だからこそ「主要政策の成果に関する報告書」の有り様に質の向上を求めたいと考えています。
 さて、前回、私が平成24年に決算委員であった時の総括質疑では、「主要施策の成果に関する報告書」について、事業の成果と年度末計数を報告頂くだけではなく、当初予算と決算と連動した事業展開をも分かるものでありたいと考え、6つの提案を致しました。
 それは、①主要施策は各部各課からご説明頂くことから、事業名について年初に常任委員会に提出する「各部の概要」にある事業計画と「主要施策の成果に関する報告書」の事業を一致させてほしい。 
②事業の新規なのか継続なのかを示してほしい。これは導入して下さいました。 
③予算の財源を簡潔に明示してほしい。国の施策展開と県独自の施策の理解です。
④前年度の決算額を示してほしい。補正予算を含むフローを含め、前年比較することから、単年度主義の弊害を排除したいためです。この計数も掲載されました。
⑤決算としての内訳である人件費と物件費、固定費と変動費を大枠で示せないものか。今後の公会計改革を念頭にした提案です。
⑥事業の成果はPDCAに基づく総括であるべきと申し上げ、各課で鋭意反映して頂きました。
 さて、この時の執行部の答弁は、「主要施策の成果に関する報告書」について、
①決算審査が単なる数字の審査にとどまらず、事業の成果について積極的に検討頂く。
②県の総合計画の目標を進めるために重要な施策を報告書に計上する。
と述べ、そして、報告書の様式で対応できるものと報告書の書きぶりで対応するなど工夫したい、と答弁を頂いたところです。
 また、私の次の質問は、県の実施する「政策評価制度」の内容を評価して、「主要政策の成果に関する報告書」と「政策評価制度」の考え方を本報告書に導入してはどうかと言うものでした。
私は、今回2年前の質疑を読み返し、2年前と同様の感想を持ちました。そして、この「主要施策の成果に関する報告書」をどのように読み込んで、また別な角度からの質問をしなければと工夫をしたつもりです。
 今年は、報告書記載の事業レビューに留まらず、各課別予算の全体像の中から、事業の位置づけをお聞きし、性質の違う事業内容は、当然予算の使途の性質が違うのだから分けて報告すべきではないかと指摘させて頂きました。
 また、ご報告頂く課長の皆さまが、差配する課の予算、それは数多くの事業と一体ですが、いかに任された予算を意識してマネジメントしているかを伺いました。
 申し訳ない言い方をすれば、「主要政策の成果に関する報告書」に記載の事業について、こんな疑問を持ちながら質問いたしました。
そこで、最初に伺いたいことは、
①まず、掲載の事業をして各部各課の事業の、当該年度の主たる事業のすべてと理解して良いのでしょうか。
②具体的に、各部各課の年間予算の何%を網羅しているのでしょうか。例えば、予算金額ベースでお分かりでしょうか。
③事業の成果が、各課の成績表だとすれば、課の責任として、県民の皆様により強く訴え、より以上成果の成否を問うべき内容の事業の成果とは、どのような内容なのでしょうか。
④県の総合計画の遂行する意味での事業報告になっているのでしょうか。
これを報告書を取りまとめる総務部の立場から伺いたいと存じます。
 次に、僭越ながら私なりに「主要施策の成果に関する報告書」の様式を改定したものを、案として作成したものをご案内したいと思います。
 また、本澤委員長のご配慮を賜り、提案の資料を皆さまに配布させて頂きました。本澤委員長、ありがとうございました。
 さて、この書式の提案は、10項目の基準なるものに基づくものです。ここに至るには、決算特別委員会の質疑を経て、抱いた感想をもとにしたものです。
 それは、
1.質疑は、部長の説明の後、課長の皆さんが説明としている現状がある。であるならば、課ごとの予決算と事業の総括があって良い。加えて、課長のマネジメント、事業執行への成果を決算の立場からお聞きしても良いのではないか。
2.予決算審査を連動し、一気通貫するためには、「事業名」の括りをしっかり定義しなければならない。つまり、事業名は、この「主要施策の成果に関する報告書」の事業名と、年度初めの常任委員会で説明ある「課の概要」記載の事業と、第1回定例会議案概要説明③の「事項」に連動すべきでないか、そして、県総合計画の「政策評価」の施策名とも一致して良いと考えるのです。この4つの共通性が大事と考えます。
3.更に、予算金額は、財源を知ることで、当該事業の背景と工夫が理解できる。財源は、国の政策も反映し、国と県と市町村、または事業者の予算充当割合を示すことから、事業執行の可否や成否に大きく影響があるものです。これを知らずして決算の実態を検証できないと考えました。
4.加えて、やはり決算委員会で最も大切なのは、県独自の件単独の事業であり、その予決算審査ではないかと考えます。それはねここに県の、更に知事の施策反映があると思います。なお、平成26年度の最終予算、一般会計1兆1,198億、特別会計3,180億円の内、県単独予算は合計どのくらいあるのかも伺いたく思います。
 いずれにして、この4つの考え方からできるだけ、現在の書式を踏襲して考えた次第です。重ねて、僭越ではありますが、ご覧になった感想などありましたら伺いたいと存じますし、可能なものは採用頂けますようご提案するものです。