【原発事故】東海第2原発がラッキーだったなんて思えない。結果オーライはありえない。

 茨城県には、茨城県庁も20km範囲内とする「東海第2原子力発電所」がある。
 その東海第2原発は、3月11日の地震発生直後に自動停止。外部電力喪失後、非常用発電機3台中1台が津波被害で使用不能になったが、外部電力の復旧により15日未明には安定的な冷温停止状態になった。
 今、東海第2は半年間の定期点検中である。そして、運転再開の目途は立たない。
 危機一髪に住民の厳しい眼があるのは当然だ。「津波があと数十センチ高かったら、福島第1と同じだった」「非常用発電機1台の不具合で冷温停止に時間がかかった」は、私たちの不安の声を、疑問をそのまま発している。増してや住民説明がなければ、住民理解などありようがあるまい。
 
 事業者の日本原子力発電は、「想定外の事態」を想定した取り組みをすると発表した。つまり、津波が原子炉建屋まで到達し、非常用を含む全電源の喪失と使用済み燃料プールの冷却機能喪失に対応すると言うことである。
 15m津波を想定した防潮堤設置、電源車とポンプ車の高台配備、専用配管等であるという。
 想定外の津波の高さ論争をしては防潮堤の高さは遥かに高くなり結論は出ない。想定外の反対側にある「現実的」なこと「実行可能」なことも大事だと思われる。
 
 発想の転換で、原発は海の側から、川の側にと言えば、可能だが立地は難しいと言われる。海水利用の水冷から、空冷ではどうかと言えば、可能だが効率が悪いと言う。
 
 原発利用の幾重にも張り巡らされた原発擁護の防護壁が憎らしい位だ。原発村と言うものがあるそうだ。だからこそ、想定外の津波で一瞬に破壊された現実があることが身に沁みる。
 原子力は、過渡的エネルギーであろう。既にコストが合わない事業なことは明確ではないか。技術革新の費用負担は、自然共生型エネルギーにとって変わるべきだと信じる。
 明日は、東海第2原発の視察に行ってまいります。