【霞ヶ浦】異臭の原因は何か。河川の環境保全も問われるアオコ問題。

 霞ヶ浦の「アオコ」は、残念ながら異常発生の条件が整い、ますます手の付けられない状況にあります。
 昨日は、霞ヶ浦に流入する備前川のアオコ回収の現場を視察しました。
 アオコは、浮遊して風によって移動するため、この日は備前川の蓮河原地内の橋のたもとに、いわゆる浮き袋のフェンス(良く聞くオイルフェンスのようで、水中まで帯の下りたもの)で、アオコをせき止めて回収していました。
 アオコの回収は、「ハンドスキィマー」と呼ばれる水中吸引部を主導操作できる機械を使っています。(写真参照下さい)
 いわゆるバキューム吸引で、くみ上げある程度圧縮して、水処理中間施設に運搬しています。その後焼却する段取りです。この作業は、1㎥あたり2万円の費用とも言われ、土浦市は一日100万円の資金投入を想定していますが、久しぶりのアオコ発生で予算化しておらず、費用捻出も課題です。それでも、異臭をなくすには汲み取り廃棄する以外になく最大の努力を惜しまないとの話でした。
 問題は、ハンドスキィマーが、効率的に活躍する環境整備のようです。吸入を邪魔する木片や枝や投棄物の撤去は人の手意外にありません。実は、アオコ以上に川を汚すことが問題なのかもしれません。
 市の担当者に、アオコ異臭問題の最終形は何かと尋ねると、答えは「大雨や台風が来て、増水し、霞ヶ浦や河川の水が攪拌されること」とありました。「それでは、19日の雨が期待ですね」には、「台風では別の心配があります」と苦笑いでした。
 もちろん、アオコの発生原因は、窒素とリンの問題ですから根本的な解決は、水質浄化にあるべきです。それでも、異臭と苦情からまずは逃れたいというのが対応する当局の本音であり、私も理解できます。
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 ご存知の通り、アオコの原因物質は、淡水性の植物プランクトンであり、藍藻類のミクロキスチスの内、アエルギイノサaeruginosaが今回のアオコの正体と考えられます。
 この10もくろんの微細体が、水質が透明性を増すことで、光合成を活発化し、加えて①風が弱い ②水温は15~30度 ③ph6~9 ④窒素とリンの冨栄養化 により異常繁殖するわけです。
 そして、藍藻の細胞にあるガス胞が浮き袋にになって水面に上昇、本来なら沈降すれば良いものを、更なる異常発生で、水面に止まり、太陽の紫外線で細胞が死滅し、タンパク質の腐臭を発生させるわけです。
 アオコそのものは、異臭もなくよほどでない限り悪さはしません。しかし、やはり異常発生は藍藻そのものをも死滅させるのです。
 13年振りのアオコ発生とも言われます。
 土浦の観光資源の柱である霞ヶ浦のイメージが台無しにならないように根本的な解決を図りたいと思います。