【放射能測定】リスクは、ヘッジとテイクをバランスよく管理するものだ。多段階多地点の測定が求められる。

 信頼する友人から、こんな相談がありました。
 「良く知る会社が、放射能暫定基準値を超える堆肥を出荷したとして指摘され、出荷停止している。
 同社は、生産者の立場から責任ある堆肥を出荷できるように食品放射能測定システムを購入して導入した。
 この測定機は、ヨウ素131、セシウム134、セシウム137核種を同時測定できる。
 私(友人)は、この機械を使ってあらゆる所を測定したい。
 もう空間放射線ではない。シーベルトではなくベクレルの段階だ。
 放出されたセシウムの量は変わらない。今はどこに存在するかが問題。それも移動するだろう。
 多くの地点で測定したいが、個人が測定して発表してよいだろうか」
 との、お話でした。
 既に、測定の意思は固くお止めすることはできません。
 そこで、多くの地点で計測して、データを教えて下さいとお願いしました。
 併せて、①計測方法は明確にして、統一感のあるものにする。
 ②私有地等は、地主の許可が当然必要です。
 ③いわゆる暫定基準値とか、ホットスポットという観点だけではなく、低水準の数値も報告すべき。 
 ④データを残す。データの集積から、将来の傾向性を導いて欲しい。 
 ⑤本手法をすべての人が良しとするとは限らないことも念頭に。とお話しました。
 やはり、「安全」の基準と「安心」の基準は、人それぞれで違ってきます。
 また、危険と目される地点とともに安全な地点もあることを明確にしなければならないと思います。
 
 いつも述べているように、リスクは、ヘッジ(回避)とテイク(許容)のバランスが大事です。
 まだまだ未完成な放射線の現場だと考えます。市民どうしの意見交換や、欠落した検査箇所に、慌てふためいて対応することがこれからもあるに違いありません。
 食品で言えば、生産、流通、消費の各段階で放射能測定がなされても構わないとさえ思います。
 高放射能地点等の発見後の初動体制を大事にするため、ファイティングポーズをこれからもとり続けなくてはならないと思います。
 そして、認識と評価の醸成が、時間とともに進むものと思われます。
 安心のためには、危機管理が必要なのです。
 是非とも「安心」に繋がる幅広い努力を惜しまないようにしたいと考えます。