「地方創生10年人口減少社会に取り組む県政運営」八島功男県議会議員の代表質問

2024年9月10日に行われた茨城県議会の代表質問では、県議会公明党を代表して八島功男議員が質問を行いました。 八島議員は、冒頭、「公明党は、今年11月に立党60周年を迎える。今こそ、『サスティナブル(持続可能性)とレジリエンス(柔軟な回復力)の深化を図ろう』をテーマに、県民が幸福となるための茨城県政を展望し、知事に質問いたします」と訴えました。

そして、地方創生に関連する10年間の振り返りと、今後の人口減少対策について議論が行われました。地方創生が進展しない中で、人口減少に直面する自治体間の格差が拡大している現状を指摘し、次の10年に向けた具体的な政策として、女性の社会参加と外国人材の登用を強調しました。

2014年に政府が「地方創生」の取組を始めてから10年が経過しました。人口減少と東京一極集中の流れが是正される見通しは立ちません。国は、毎年1,000億円超の交付金を設け、地方にも総合戦略の策定を求めたものの、その内実は、交付金の交付条件ばかりに着目した獲得合戦であったとの指摘があります。また、自治体同士で「人口」を奪い合う形になってしまったとの指摘もあるようです。
「人口の自然減と社会減の対策は、どちらにも偏ってはならない」が、地方創生10年の総括と考えます。

さて、本年、「人口戦略会議」の発表によれば、茨城県内の2020~50年の30年間で、子どもを産む中心世代となる20~30代の若年女性が50%以下になる「消滅可能性自治体」と指摘されたのは17市町村で全体の38%超に上りました。減少率が20%未満の「自立持続可能性自治体」に位置付けられたのはつくばみらい市の1市のみに留まりました。一方で、県北地域6市町が消滅可能性自治体に位置付けられ、うち4市町は転出など人口移動に伴う若年女性の減少率は60%を超えたことなど厳しい結果となりました。
これらを概括すれば、全県において人口減少傾向は止まることはなく、かえって地域間格差が広がっています。何といっても、人口減少に特効薬はないことが明らかだということです。
人口減少のうち、自然減対策は出生率向上策という超難問です。現実的な減少のスピードの緩和と最終的な安定(下げ止まり、定常化)させる戦略が必要です。 
両輪である社会増減対策は、次の10年の地方創生とも言うべきものであり、「女性の意識や実態を重視した政策遂行」と「大胆な外国人材の登用と受け入れ基盤の拡充」が重要ではないかと考えます。
人口が減少する中でも、生活の質的な強化を図り、現在より縮小した人口規模であっても、多様性に富み、成長力がある、持続可能性のある茨城県を構築することが求められます。
県においては、縮小均衡に陥らず、否が応でも、格差が生じる市町村の現状と改善の意欲を良く聞き取り、地域の価値が向上するような県計画の策定と遂行、市町村連携に取り組んで頂きたいと思います。
ついては、地方創生10年の時を踏まえ、人口減少社会に取り組む県政運営について知事の大胆かつ繊細な構想力ある御所見を伺います。