【官製談合】官と民は、もたれ合うものでなく、公平対等の、機会均等が大事。

 いわゆる「官製談合」に対する調査報告書が、今日、県に提出されました。
 これは、平成23年8月4日、公正取引委員会から入札談合等関与行為防止法に基づく改善措置要求等を受けた、境土地改良事務所、境工事事務所及び県西農林事務所土地改良部門について、調査した入札談合等関与行為調査委員会の報告書です。
 報告書は、談合に関与した県職員に対して、過去に比較すれば厳格な処分を求めており、13人に懲戒処分、OB含む12人に損害賠償請求を求めているものです。
 同報告者は、まず調査結果の概要について、境土地改良事務所では、「工務課長が、発注を予定していると僕工事のほぼ全てについて落札予定者を決定し、所長の了解を得て、建設業協会境支部長からの求めに応じ、落札予定者についての意向を伝えていた」と、まさに官製談合そのもののがあったと認定しています。
 また、境工事事務所では、「境支部の前支部長は、舗装工事(舗装Aランクのみ)について業者間で受注の順番をあらかじめ定め、所長に対し順番のとおり受注できるように要望した。所長の指示を受けた職員が工事場所や発注時期、指名業者の選定に関して必要な配慮を行っていた」として、談合のほう助を認定しました。
 更に、県西農林事務所土地改良部門では、「工務課長は、発注を予定している土木工事について、部門長と協議の上、想定落札者を決定し、その一部の土木工事について、想定落札者についての意向を建設業協会筑西支部長及び常総支部長に伝えていた」と、談合行為に疑義のある行為と認定しました。
 なお、その他の県機関では、談合行為を疑わせる行為は確認できなかったともしています。
 次に、同報告書は、損害について、まず、損害賠償の請求先を、①不法な利益を得た落札業者 ②同行為は、落札業者と入札参加業者及び職員の共同不法行為として3者への請求を求めています。
 そして、職員への賠償請求額は、①談合がなかった場合の落札価格との差額=実損相当額 ②その額は、同期間の他の同様工事の平均落札額との比較と記載しています。
 加えて、職員の懲戒事由は、適切なものを求め、然して金品の受領がない事や同地の環境、従来の慣行等を酌量すべきとも述べています。
 最後に、同報告書は、改善措置として、①職位の法令遵守意識の徹底を研修や公益通報制度外部との働きかけへの対応などの充実を求める ②入札け契約システムの見直しを一般競争入札の適用範囲拡大(3千万円から1千万円)、将来の指名競争入札の廃止ね入札参加要件の適用範囲の見直し、予定価格公表、ダンピング対策、ペナルティの強化、電子入札の適用範囲拡大、公正入札調査委員会の体制見直しを記載しています。
 
そして、県において、官製談合防止法違反行為に関する懲戒処分制度の制定や人事管理の徹底を職員に対して行うことと、建設業者に対する法令遵守や企業倫理の確立を要請すべしとしています。
 
 茨城県は、この報告書を受けて、数々の改善策を提示し実行することになります。
 今回の報告書は、官製談合の実態を見極め、当然でありますが、関与した県職員について厳しい対応を求めています。
 それは、誰か一人の問題ではなく、その状況を作った何かがあるはずだと考えます。ですから、官製談合防止は、全庁挙げて取り組む以外にありません。
 誰もが、「違反行為と思いながらも、どこかで正当化」してきたところに、人の「心」と組織の「システム」に問題があると思います。この違反行為を感ずいていながらオープンにできなかったこともあるでしょうし、いつか違反行為とも思わなくなったことかもしれません。
 改革のスタートが切られたとの思いで、官製談合絶滅に取り組んでいきたいと思います。
 官製談合は、絶対にあってはならないと考えます。官が官としての信頼を失います。決して公平な受注機会の方法ではありません。