【消費増税】逆進性に難あり。軽減税率の特徴ははマクドナルドで理解する。

 消費税の最大の課題は、所得の低い人の負担割合が多くなる「逆進性」にあります。
 それは、消費に対して高所得者も低所得者も同じ割合(現在5%、民主案では15年4月には10%)の税負担だからです。
 私は、なぜか「お金持ちも、そうでない人も100円のサンマを買う。高所得者だから150円のサンマを買わない」と100円で十分美味しく大好きなサンマの例を季節外れでも言ってしまいます。
 本来、税のあり方は、高所得者ほど税負担が多くなる「累進性」が基本ですから、同じ割合の消費税は、「逆進性」があると言うことです。
 さて、この逆進性を緩和する方法として、「軽減税率」で対応しているのがEU諸国です。
 例えば標準消費税率を15%としても、具体的な品目をあげて軽減税率を適用する。対象は、アルコール飲料を除く飲食料品、医薬品、旅客輸送、書籍、新聞があげられることが多いようです。
 しかし、これらの軽減税率は、この優遇税率をどこまで適用範囲にするかで、業界と税務当局の議論争いがたえません。
 もっとも有名な話題は、マクドナルドのハンバガーの話です。
 「テイクアウトすると食料品として軽減税率(英国はゼロ税率)」なのに、「その場で食べればサービスとして標準税率」なのです。
 しかし、ドイツでは、「テイクアウトと言って購入し、その場で食べることもある」として「二つの税率ながら同じ値段」で提供しています。いったい税金の三艇はどうなっているのでしょうか。
 そこで、英国では、食料品とサービスを分ける基準を作っています。それは、提供された食料品が「温かい(温める)」か否かで区分しています。温ければサービスとして標準税率、温めなければ軽減税率です。
 カナダでは、個数で分けます。5個以下は飲食サービスとして標準税率、6個以上は、その場で食べないとして食料品扱いとして軽減税率です。外形標準ですね。そのために、来店した客が、声掛けあって6個以上になってから購入する「その場だけの購入クラブ」ができるそうです。
 いやはや複雑怪奇な軽減税率です。それでも国民の納得がいくのならある意味分かり易い税の適用方法になると思います。
 さて、これに対して「給付付き税額控除」があります。これは後日に記載したいと思います。
 公明党石井政調会長は、「これらは日本人の感性に合うかどうか、文化の問題になるかもしれない」とも話されていました。
 全く同感です。既に現行5%消費税でも議論されたことです。そして軽減税率が出来なかったことも考慮すべきでしょう。それでも話題としては、こうやって提供したいと思いました。