【常陽懇話会】同日選はない。解散は必至。民主惨敗も新党躍進で政治の安定に懸念ある。

 地元メディアである常陽新聞新社の主催する第433回の常陽懇話会が、時事通信社解説委員の田崎史郎氏を迎えて開催されました。
 演題は、「政治の行方ーふたたび政権交代はあるか」。
 民主党政権の現状を小沢元代表や野田総理、輿石幹事長の人がのエピソードを紹介しながら、更に自民党谷垣総裁との関係を述べて、衆議院解散の時期と民主党議席予想を話されました。
 講演の導入は、ご自身がテレビ出演する時に心掛けていることとして、①30~40秒で話す ②キャッチする言葉をまず言うとし、防衛大臣交代の際には、「素人からド素人」と述べることがテレビ的としました。
 更に、みのもんた氏の番組は、ライブ感覚に特徴があり、事前に準備したことで役立ったものはなく、言葉の瞬発力が大事になると紹介しました。また、テレビは顔を覚えなくともネクタイを覚えている人がいるという不思議さがあるとも話されました。
 次に、政治に対する自身の定義を「政治とは政治家という人間の営み」であるとし、本来マスコミは政治家の人格を報道すべきではないかと考えるとも述べました。
 そして、多くの政治家を見てきた経験から、政治家は何を行動基準にしているかと問われれば、「『情』と2つの『り』。『り』とは、利益の利と理論理詰めの理」である。正しいことが実現されるとは限らない損か得かの連鎖が政治とも思われると言われました。
 原発問題については、①原発事故により絶対安全神話が崩れたが、そのご絶対安全を求める風潮が蔓延している。例えば、食品安全新基準は、被災地復興を言いながら、被災地の産品を買えなくしている。
 ②原子力安全委員会の斑目委員長は、「デタラメ」と悪口を言う人がいるらしい。しかし、ここに「判断しない」ことが普通になり、その手法は「すべて報告する」との形になっている。これは責任回避ではないか。
 さて、民主党議員の特徴は、民主議員が民主党への愛着がないことである。その意味で、小沢元代表の魅力を問われれば「苦しい時に小沢元代表は声を掛けてくれる」にあり人間力が評価されている。そして、小沢氏は新党を標榜しているように見える。
 輿石幹事長は、「花咲か爺さん」と呼ばれているらしい。労組出身(山梨県日教組)らしく調整能力に長ける。それは、欲しいものをくれると言う行動だ。鳩山には外交、菅にはエネルギー、選挙基盤の弱い議員には、任期満了の同日選。理念や政策ではないことが特徴である。
 野田総理は、消費税に取り組む姿勢を「不退転、政治生命を賭ける」と言い、普通の政治が言わない「命を懸ける」とまで言った。ここまで言ったが、野田総理は自身の落選経験が邪魔になって解散を決意できないかも知れないところに問題がある。
 野田総理も自民党谷垣総裁も、9月の代表総裁再選が最大の課題である。9月はデッドラインではないか。政治日程は、ロンドンオリンピック中は、解散に至らない。消費税を採決するには会期延長も必要。
 現在の政治状況の不幸は、政治日程を取り仕切る黒子役の腹の座った人物がいないことだ。かつて梶山静六氏は、「義理と人情とやせ我慢」が政治家の必須と言った。これが分からないとダメだ。
 さて、新党はどうか。みんなの党の渡辺代表は、ドライと呼ばれて誰も付いてこずに自民を離党した。維新の橋本大阪市長は、渡辺氏の言をもって「スーパードライ」と言われる。それでも、衆議院選挙となれば維新50、みんな30は獲得するのではないか。
 自民は、次の総裁が問題。石原氏か石破氏か。長老の使いやすい石原氏は、政治姿勢が変わりやすいタイプ。石破氏は筋は通すが味方がいない。政治は理屈ではなく、全ての力関係により成り立つ。
そして、田崎氏は、民主党は、130議席がやっと。160の減少だ。政権は、自公に移るが、共に過半数を取れない。参議院を含めて混沌としてくる。
 同日選はないとみる。民主にとって同日選の敗北は、衆参共に敗北であり、二度と立ち上がれない状況を作る。衆議員選挙に負けても参議院で勝つには、別々の選挙しかない。選挙は年内と思われるとしました。
 さて、公明党については、郵政改革法案が高く評価できる。そして、郵便局の支援が期待できることが前回と大きく違う。支援組織は、厳しい選挙ほど組織が強くなる特色を持つと述べました。
 以上が概要です。一時間半の講演でしたので内容は随分端折りましたし記憶の限りです。相違があれば訂正させて頂きますので、よろしくお願いします。
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