茨城県議会第2定例会最終日の議会主催講演会について、私自身の理解を整理する上からここに掲載したいと思います。
講演は、野村総研顧問の増田寛也氏。講演は「地方を巡る諸問題」についてです。増田氏は、昭和61年から平成6年6月まで茨城県企画部で、当時の竹内知事のもとで主に現つくばエキスプレス開通完成を担当していたそうです。
冒頭、氏は、茨城での経験がその後の岩手県知事3期に役立ったと話されました。知事と職員の関係は、例えば二つのアイデアがあるとして知事が採択したい方に意見を言うと、職員は知事はこの案件はダメだと斟酌して別のアイデアを提出するなど、職員心理のあやがよく分かると話しました。
そして、今後想定される首都直下地震に対しては、①事実を発表する。 ②首都機能の代替を明確にする。例えば、官邸は、二次機能は防衛省、次いで立川など。③物流の確保が大事としました。
加えて、東日本大震災の現状は、①復興を担う人たちの疲弊 ②専門分野の人材不足 ③瓦礫処理が遅れている ④被災地域の人口流出 があり、今後の自治体間連系は、被災地と支援自治体の「水平支援体制構築」にあるとしました。
更に、検討すべき事項は、①高台移転を実現させ、移転低地の建築制限や、財産権の制限を正統な保障とともに実施すべきで、それなくして次の津波対策はない ②災害基本法の見直しが必要。大槌町のように町長が死亡し、次々に責任者が変転する。その自治機能の中でいつまでも「申請主義、要請主義」をかざして待っていていいはずがない ③町の意思は、やはり選挙で選ばれた人が決定すべき。首長がかけた時、短期的には行政の事績で良いが、速やかに議員も含めて選挙で選ばれた人とすべき。選挙にりリーダーシップが発揮される と話されました。
また、根本祐二東洋大学経済学部教授の新聞記事から、公共施設老朽化対策が喫緊の課題であり、施設の更新投資金額を計算して、財政的に難しいという結論を出す前に、例えば学校と児童館と公民館とケア施設を合体する新しい発想があって良いと紹介した。
次いで、大阪都構想について、橋下市長は、何でも住民投票とする直接民主制の動きと捉えられるが、選挙で選ばれたからこそ難しい課題に自ら取り組むべきだ。代表民主制という、議論を積み重ねる議会を目指すべきだ。
そして、都構想とはいえ、東京都と大阪都は同じになることはない。東京都は、自らの税収の再配分をできるから自治体格差を調整できる。しかし、交付税を受け取る大阪都は、自ら財政調整機能を確保できるのだろうか。結果として「権限と財源」にどこまで挑戦し調整し、大阪市内等の自治体の納得を得られるのだろうか。例えばね生活保護で有名な西成区と一緒になる地区はあるのだろうか。住民投票すれば否決されるに違いない。ここの生活保護財源とその他の財政調整をどうするのかが問われているとしました。
以上が、聞き書きメモです。地方自治のあり方は、やはり財源と執行権限の采配にあります。そして、議会こそが、予算とその執行に責任ある関与をすべきではないかと感じる次第です。