【消費税】消費税免税事業者の憂鬱、価格転嫁と消費税表示は的確性と納得性の結論で。

 消費税についてお話をさせて頂きますと気が付くことがあります。
 それは、消費者である私たちが消費税を意識して買い物をしていない事実です。これは、納税者としての国民という意識の薄弱性や低下だとすれば怖いことと思われてなりません。
 先日、散髪に行った時のことです。「消費税増税をどう感じますか。散髪代金の値上げはありますか」とお訊ねしました。すると店主は、「増税後も散髪代金は上がらないかもしれません。売上が1千万円ありませんから。ひと月25日、年間300日働いて、毎日3万4千円、八島さんの散髪料金3,800円だから、1日当たり8.7人。これって年間平均だからね。とても無理。単価は、10分1,000円の散髪があれば、私の所は、洗髪も髭剃りもマッサージもして約50分、つまり5,000円で見合うのだから、この価格で良いんです」との事。
 ここには、最終消費者としての私に消費税がありませんでした。(これは正確には違います)
 
 一体、価格形成とは何なのだろうか。消費税とは何なのだろうかを考えさせられます。
 このサービス主体の散髪はいざ知らず、町の食堂も、1日3万円の売上であれば、年商1千万円以下として消費税の免税業者です。但し、それでは消費税から免れているわけではないが大事です。仕入れには、材料等に消費税を支払っていますし、仕入れに対する消費税過払い返戻が許されない場合も出てきます。
 つまり、消費税は、価格転嫁し難い面と、消費税表示をしにくい面が特徴です。零細であればあれほどそうなります。消費税の価格転嫁等を明確にするためには、税表示のあり方を徹底する必要があります。内税、外税の表示やインポイス方式等が検討されるでしょう。しかし、消費税とは何かを現状5%を踏まえて十分に検討するべきだと申し上げたいと思います。
 価格転嫁とともに起こる、便乗値上げがあってはなりません。「消費税据え置き価格」はセールス言葉にあっても消費税から免れるものでもありません。利益圧縮や仕入れ価格等の圧縮等が、経営努力として発揮されるのでしょう。でも、本当は現在価格から3%5%と都度上昇すべきだと思います。
 更に、現行消費税5%は、国税4%と地方税1%(地方消費税)から組成しています。今後の地方税のあり方も課題アリと考えます。消費税の社会保障充当の実が、地方においても正確に発揮されることを望みたいと思います。