【教室の悪魔】「いじめをする方が絶対に悪」を徹して、子ども達の勇気ある行動で「いじめ」はなくそう。

 ご存知の通り、滋賀県大津市の市立中2年生男子の生徒(当時13歳)が自宅マノンションから飛び降り自殺した事件は、その原因がいじめであることが明白になってきました。
 それは、もはや「いじめ」という言葉では収まらない事態であり、警察の捜査によっては、刑事事件として立件されることも考えられます。現在、捜査は教諭を終えて、生徒まで及び、警察署外で保護者とともにとは言え、子ども達の将来に大きな影を残すことが懸念されます。
 また、この事件は、学校、教育委員会などの調査の不適切性や、時には隠ぺいともとられる事象が報道され、それが問題の音の深さを表しているように感じられます。
 さて、私は、この機会に「いじめ」について書かれた定番とも言える「教室の悪魔 見えない『い゛しめ』を解決するために」(東京都児童相談センター 心理司 山脇由貴子著)を読みました。
 是非とも、「いじめ」に関心ある皆様の多くに読んで頂きたいとお薦めします。
 この本は、大人の知っている「いじめ」と子供たちのいじめの現実の余りに激しいギャップを事例を通して示し、現代のいじめの残酷さを訴えています。そして、「いじめられる側にも原因がある」という安易な観念の間違いを徹して教えています。
 既に、いじめの現実は、「いじめられる」「いじめる」「傍観」の構図は全く成り立つことはなく、「いじめられる」「いじめられる子ども以外の全員のいじめ」により、残酷な教室が出来上がり、「教室の悪魔」が猛威を振う
状況になります。
 悪心の巧妙さは、人の心理の奥の奥まで、忍び込み、優しささえも自身を追い詰める武器に利用します。真実は小説より奇なり以上の狡賢い悪魔の所作が、子ども達の心を蝕んでいるようです。
 今回は、ネット上に加害者と言われる子ども達や家族の姿が晒されています。日本は、余りにも複雑怪奇になってしまっ多のかも知れません。
 そして、「いじめ」は、歪んだ矛盾だらけの大人社会の写し絵そのものとも言えましょう。
 「いじめ」をする方が悪であるとの徹底した思想を学校教育の基本にしなければならないと思います。そして、勇気ある子ども達の行動を理想とした学校生活をおくって欲しいと念願します。