【ワンコイン健診】健康診断に行けない「健診弱者」を応援し、早期発見早期治療を促す「ワンコイン健診」の挑戦。

 月刊誌「潮」の対談企画、猪瀬直樹東京都知事とケアプロ㈱代取川添高志氏の記事を興味深く読ませて頂きました。
 川添氏の経営するケアプロ㈱は、ワンコイン500円で健診を受けられる「ワンコイン健診」を実現し、3300万人もいると言う一年以上健康診断を受けていない「健診弱者」に「ちょっと立ち寄り、ちゃんと健康」を応援しようというものです。
 検査できる項目は、①血糖値、②Hb(ヘモクロビン)、③中性脂肪、④総コレステロール、⑤LDL、HDLコレステロール、⑥肝機能、⑦骨密度、⑧血圧、⑨肥満度(BMI)、⑩肺年齢、⑪ドライアイの11種類で、1検査あたり500円。平均の検査単価は、2000円程度との事ですから気になる所を選択できます。そして、これが早ければ1分、遅くても7分で結果が分かる問お手軽感があります。
 このコスト削減のポイントは、医師がいないという事です。日本では医療行為のすべてを医師がしますから、人間ドックで看護師さんに採決されているのも医師の指示によるものです。
 
 そこでこのハードルを同社はどのように乗り越えたのか。これは、「自分で採血する」です。これは厚労省も保健所も問題なしとしたそうです。この自己採血は、中指の横に針を刺すというもので、この対談では猪瀬知事みずから挑戦したようです。
 医師の行う健診とのバッティングについては、このように述べています。「ケアプロに血液検査を受けにくる方は、医師のもとで定期的に血液検査を受ける人ではない」と。そして、この健診で病気を早期発見すれば患者は医師のもとに行くと言うものです。
 この健診は、2008年11月にサービス開始して以来述べ12万人を突破したい言う事ですから健康診断を受けない方へのアプローチとして新しい挑戦のように思われます。今般、ピロリ菌除菌の保険適用が、胃炎段階から認められましたが、やはり早期発見の手法としてのピロリ菌検査の健康診断導入はハードルが有ります。保健予防の考え方は、早期発見の機会をいかに作り、重篤な症状になる前に治療することで、医療支出を抑えようとするものです。このケアプロ㈱の「ワンコイン健診」は、健診弱者という隙間を捉えた見事な発想のように思えてなりません。このような工夫を評価し、既得権益から脱却を図るべきだと考えます。