昨年5月6日は日曜日。午前中は晴天でしたが、天候は不安定。筑波山を望む丘にいた方は、黒雲が揺れながら迫ってきたと話しています。日曜日でしたから筑波小学校で子どもたちにけがなどはありませんでした。災害は、何時・何所で・どのように発災するかが被害の程度を決定づけます。
藤田スケールF3(約5秒間の平均風速70~92m)の国内観測史上最悪の竜巻が、つくば市・常総市・常陸大宮市等を襲いました。特につくば市北条では中学生が犠牲になるなど昔ながらの北条商店街に大きな爪痕を残しました。
今日は、竜巻から一年を経て、「春の北条市」が開催されました。多くの方が訪れて復興の一年を見守ります。晴天のもとに元気な商店街風景が広がりました。
地元の復興への挑戦は、相当のご苦労があったようです。行政との連携や街づくりの審議会等の運営、お見舞金の配分方法や商店の再建方法、それは多くの困難を乗り越えて一年を数えたと言われます。
良く見ると竜巻被害の家屋がすべて再建されたわけではありません。新築した店舗もありますが、更地も目立ちます。更地の地主さんは、後継者がいないのに、いくら補助があっても自分の資金持出をしてまでは再建できないとの意見もあったようです。高齢化と後継者不足、そして事業性の成否は、理屈ではなく現実の課題として迫ってきます。
今日の北条市では、つくば市商工会青年部の頑張りがありました。また、筑波大学の学生の地道な地域貢献も顕著です。更に、今回は県立筑波高校の生徒の参加もあるそうで、地元各所の力の結集も少しずつ進展してきているようです。
生き抜くための商店街。表だって見えるところも大事ですが、それを支える確たる事業の柱が必要だと思います。「つくば市北条と言えばこれ!」という何かが必要です。商店街事業の軸が必要です。その開発には、若い世代の活躍が大切だと思います。
筑波山を参詣するための「つくば道」の入口北条は、懐かしい故郷であるとともに、新しい独創性をもって復興発展を目指したいと考えます。