【オランダ型農業】食糧需給率に拘らない、農産物輸出強化を目指すべきとの論考に学ぶ。

 首都圏の食を支える最大の農業県である茨城県。農水省は、「攻めの農林水産業」を展開すべく今年度の予算執行を目指しています。
 農業を取り巻く環境は、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の交渉が大きな影響となることは言うまでもありません。しかし、他国との比較対象に終始するあまりに日本の農業の確たる方向性を示す必要があることも明確だと考えます。
 日本の農業の基本は、「米」です。この日本の「米」の現状は、農家一戸当たりの保有農地が少ないこと、農地所有の移転が、先祖の土地を引き継ぎ守るという信条からか規模拡大が進まないこと、過疎化の進展菜とが指摘できます。そして、この議論をアメリカの穀物市場と比較し、食糧自給率100%のトウモロコシを「米」に求めることに矛盾があるとの指摘があります。
 この指摘は、「日本は食料需給率に拘らない」、「アメリカ型農業からオランダ型農業」を目指せと言うものです。
 オランダ型農業は、家畜、野菜、花卉などに徳化した輸出型農業を言います。加えて、食糧需給率に拘らない。ついては、必ずしも広い農地を必要としないという展開です。
 国際連合食糧農業機関(FAO)調べで、オランダの農業輸出額は7.7兆円(1ドル100円換算)、一報、日本は0.3兆円とされます。オランダは、人口1680万人、国土面積337万haで、人口、国土ともに日本の8分の1程度です。この日本とオランダの農産物輸出入額が、共に輸入額が僅差で同様なベクトルにあるものの、輸出額では日本はオランダに大きく劣後していることも統計されています。
 日本の農業の方向性を「輸出」におき、アメリカの穀物と勝負するような日本の「米」生産の規模拡大政策を転換して、儲かる野菜や果樹等の国際的競争力強化を政策にすべきだという識者の意見も傾聴すべきだと思います。