【就職率向上】男子は製造業求人の減、女子は医療福祉に増。高校生の向上は将来の期待に。

 就職のご相談を頂くたびに、その方にもっとも適した仕事とは何か、そして就職できるかを悩みます。ましてや新卒者となれば一層力を尽くさなければと心を痛めます。 
 厚生労働、文部科学両省は17日、今春卒業した大学生の就職率(4月1日現在)が前年同期比0・3ポイント上昇の93・9%だったと発表しました。2年連続の改善ではありますが、男子の就職率は悪化し、5年ぶりに女子を下回ったと言う内容です。
 一方で文科省が同日発表した高校生の就職率(3月末現在)は1・0ポイント上昇の95・8%。3年連続の改善で、1993年3月以来20年ぶりの高水準となったとのこと。この結果は、リーマン・ショック後に採用を抑制していた企業の求人が回復、就職率改善につながったと分析しているようです。
 大学生で男子の就職率が女子を下回ったことに関しては「女子の就職が多い医療・福祉の求人増と、男子の採用が多い製造業の求人減などが影響したのではないか」(厚労省幹部)とみているようです。
 大学生の調査は、国公私立大62校の4770人を抽出して実施。就職希望者は全国で39万4000人、実際に就職できたのは37万人と推計。就職率は男子が1・3ポイント低下の93・2%、女子が2・1ポイント上昇の94・7%です。文系は0・1ポイント上昇の93・4%、理系は1・6ポイント上昇の96・2%。地域別では、関東が95・8%で最も高く、九州が90・6%で最も低かったもの。短大生(女子のみ)の就職率は5・2ポイント上昇の94・7%と調査を始めた96年以降で最高となった。
 
 一方、高校生の就職率は、男子が0・6ポイント上昇の96・9%、女子が1・4ポイント上昇の94・2%だった。
 文科省は「ハローワーク職員が高校生に就職指導するなど支援を強化していることも改善に寄与した」と述べています。
 このような就職の実態調査と共に、早期の離職の実態も改善しなければなりません。若者の就職観の変化もありますが、社会が多様で個性的な人材を受け入れていく素地を作る必要があろうかと思います。