【橋本知事所信】5期20年に一貫した「清潔」「連帯」「創造」そして、多選への見解。

 来月開会の茨城県議会平成25年第2回定例会に一般質問に登壇するに当たり、この定例会が橋本知事5期目最終議会となることから、過去5回の選挙終了後最初の議会における知事議案説明(所信表明)の項目を議事録より抜き書きしました。併せて、各党の代表質問から多選に関する答弁の概要をたどってみたものです。
 これがすべてではありませんが、橋本知事の一貫した主張が理解できますし、政治姿勢の一端を垣間見ることができると思います。是非ご参考にして下さい。
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 橋本昌茨城県知事 知事選後最初の定例会での所信
初当選(平成5年第3回 1993.10.18)
知事提出議案説明
冒頭「今、私に課せられた緊急かつ最大の課題は、今回の不祥事により失われた県民の県政に対する信頼を一刻も早く回復し、県民の皆様とともに、茨城再生にむけて新しいスタートを切る事であると考えております」
県政運営の基本理念
第1 清潔で開かれた信頼の県政を目指す 「清潔」
第2 県民と一体になった連帯の県政を目指す 「連帯」
第3 新しい時代を切り拓く創造の県政を目指す 「創造」
基本的施策の方向
第1 地方分権の推進 「私は、地方自治の原点は、住民生活に関連する行政については、できるだけ住民に身近なところで行う事であるとの信念を持っております」
第2 生活者を優先した、また、女性が積極的に参加する県づくり
第3 福祉及び医療の充実を図り、人にやさしい県づくり
第4 地域環境を整備し、快適で魅力ある県づくり
第5 産業基盤を充実し、活力ある県づくり
第6 あすに希望の持てる農業県づくり
第7 教育、文化及びスポーツの振興を図り、心の豊かな県づくり
自民党 関宗長議員への答弁
関議員  茨城県の理想像をどう描くか
橋本知事 ①生活者優先の豊かな県 ②都市と農村が一体となった快適で魅力ある県 ③仲居に開かれた新しい時の発展を担う県 これを踏まえて、「茨城に生まれて、住んで良かったと、誰もが実感できるようなすばらしい郷土の実現を目指す」
関議員  今までの茨城県政の知事をどう評価するのか。
橋本知事 戦後三人の知事が、その時代、時代において、先見性をもって茨城県の発展と県民福祉の向上に努めた結果
公明党 足立寛作議員への答弁
足立議員 中央から見た茨城、そして、関東に占める茨城についてのイメージは何か
橋本知事 ①広大な土地、豊かな自然、そして、少ない災害等々、大変に恵まれた条件のもとにあり、つくばを初め順調に発展している ②子供の頃から茨城の悪路として聞かされてまいりましたが、相変わらず道路や上下水道などはかなり遅れている ③大県でありながら大きな都市がない こうしたことから、発展可能性としてこれ以上恵まれている所はない。
足立議員 ゼネコン汚職を首長故人の倫理観にのみ帰着させてはその本質的解決にならない。ゼネコン汚職の構造的背景を徹底して分析して、新たな制度の導入も含めて、再発防止策を早急に講ずるべき。そこで、①知事は資産公開するのか ②多選問題への所見
橋本知事 資産公開は、一定のルールで継続的に行われるべきで、条例制定し公開する。知事多選問題は、知事は4年ごとに選挙で県民の審判を受ける者であり、多選の知事でも立派な業績をのこしている方もおられますので、一概に多選の是非は論じられませんが、一般論としては、余り長くならない方がよいのではないかと感じている。
足立議員 多選について新聞情報では、3選だろうと 3回、長くて4回といわれているがどうか
橋本知事 2選挙では事業遂行の基幹としては短い。片方で、やはり5選となればどうしても長いのではないか。4期もやっておられながら、新しいアイデアが出てこないのだったら5期やっても同じじゃないかという事を一般論として申し上げた。
2期目(平成9年第3回 1997.10.6)
知事提出議案説明
冒頭「県内の全市町村をくまなく回り、郷土茨城の豊かさや発展可能性の大きさと言うものを、改めて実感してまいりました。そして、この素晴らしい発展可能性を現実のものとし、本県を輝かしい21世紀へと発展させてまいりたいとの思いを一層強くしました」
基本的な考え方
第1 「新しい豊かさ」を実感できる社会づくり
第2 「かがやく未来」の実現を目指し、バランスの良い県土の発展に努める
第3 行財政改革を進め、21世紀に向けた県政の推進体制を確立する
第4 地方分権を推進し、活力ある地域づくりを進める
第5 女性の社会参画を推進するとともに、勤労者が安心して働ける環境づくりに努める
自民党 池田有宏議員への答弁
池田議員 県政推進の基本姿勢
橋本知事 ①だれもが健やかに暮らせる安らぎに満ちた社会づくり ②豊さを実感できる安全快適な生活環境づくり ③個性と創造性に富む心豊かな人づくり ④新しい魅力と活力あふれる産業社会づくり ⑤茨城の発展と交流を支える基盤づくり 
3期目(平成13年第3回 2001.10.3)
知事提出議案説明
冒頭「景気・雇用の問題を初め、県政の取り組むべき課題が山積していることを実感してまいりました。また、改めて郷土茨城の豊かさや発展可能性の大きさといったものを再確認した次第です。これからの4年間は、大きく変動する社会経済環境の中で、構造改革に取り組み煮ながら、21世紀における新たな発展の基盤づくりや少子高齢社会への対応等を進める大変重要な時期にあたります。私は、県民誰もが「生まれてよかった、住んで良かった」と感じることができる「愛されるいばらきづくり」のために、そして、21世紀を「いばらきの時代」とするため、県政に全力で取り組んでまいります」
重点課題
第1 元気で住みよいいばらきづくり 
第2 改革の推進
第3 景気・雇用対策
4期目(平成17年第3回 2005.9.29)
知事提出議案説明
冒頭「これからの4年間は、本県を取り巻く内外の厳しい諸情勢の中で、21世紀におけるさらなる発展基盤づくりや少子高齢社会への対応等を進めるうえで、極めて重要な時期にあたります。私は、我が郷土茨城を、人が輝く、元気で住みよい、いばらきとするために、そして21世紀の日本を支えていける県とするために、県政に全力で取り組んでまいります」
最重点課題
第1 元気ないばらきづくり
第2 住みよいいばらきづくり
第3 人が輝くいばらきづくり
第4 改革の推進
第5 県民とともに進める開かれた県政の推進
自民党 山口伸樹議員への答弁
山口議員 6/7出馬表明会見で、政治家としての顔が見えないとの指摘に対し「知事がそんなに政治家であるべきかどうか、知事は行政のトップとしてのウェートが高く、せいぜい3割でいいのではないか」と答えたとほうどうされました。しかし、私は、県民の選挙で選ばれた知事は100%政治家であるべきだと考えます。(略)課題が山積する県政運営について、知事が強いリーダーシップを持って立ち向かい、県政運営にまい進してほしいという県民の大きな期待が込められている。
橋本知事 私はいささか異なる考えを持っております。私は、記者会見で、知事は行政府の長であり、通常の勤務時間の大部分は行政の仕事に当てられているということを言ったつもりであります。例えば、各種の許認可や人事などを考えていただければ、議員にもお分かりいただけると思いますが、これらの仕事のように、政治色などは入る余地のない、あるいは入れてはいけない仕事が知事の仕事の極めて大きな部分を占めていることをご理解いただきたい。
5期目(平成21年第3回 2009.10.5)
知事提出議案説明
冒頭「『産業大県』づくりが一定の成果を上げつつあることから、その活力を生かして県民の皆様一人一人の生活を寿実させていくこと、茨城を『生活大県』へと深化させていくことを、今後の県政の目標として掲げさせていただきました」
緊急な対応が求められていること
第1 景気・雇用対策
第2 改革の推進
「生活大県」づくりについて
第1 「住みよいいばらき」づくり
第2 「人が輝くいばらき」づくり
第3 「元気ないばらき」づくり
民主党 長谷川議員への答弁
長谷川議員 多選について
橋本知事 私は,以前から申し上げておりますが,多選は弊害があると一概に決めつけることはできないものと考えております。最近の不祥事の例を見ても,確かに多選の方も一人おられましたが,ほかは,1期目,2期目の知事による不祥事であり,必ずしも多選と不祥事が結びついているわけではありません。今回,私が出馬を決めた大きな理由は,多くの方々から,多選の問題があるが,この大変な時代には,これまで培った経験や人脈を生かし,しっかりした県政を続ける方が大事だとの強い御推薦をいただいたからでございます。今回の選挙では,こうした考え方から,多選であることを認識しながらも,有権者の皆様が私を支持してくださったものと考えております。しかしながら,多くの方々が多選の弊害について懸念を抱いていることも事実であります。私は,常に初心を忘れずに,これまで以上に広く県民の声に耳を傾けますとともに,県議会や市町村とも意見交換をしながら,開かれた県政の推進に努めてまいりたいと考えております。