【公明党政調戦略】4つの成長分野、3つの柱。成長戦略担い手育成に全力。

 公明党茨城県本部代表で公明党政務調査会長である石井啓一衆議院議員は、橋の公明新聞に「公明党の成長戦略」を語りました。
 これは、公明党が24日に示した政府に提言した「日本経済再生のための成長戦略」を広く訴えるもので、その意義やポイントについてを述べたものです。
―なぜ今、成長戦略が求められているのですか。
石井啓一政務調査会長 自公政権が掲げた経済政策の柱である大胆な金融政策と機動的な財政政策が実行された結果、円安・株高など、低迷していた日本経済に明るい兆しが見えてきました。
ただ、今は先行きへの期待が先行している状況です。この期待を確実に経済成長につなげ、その果実を地方や中小企業、生活者が享受できるようにしなくてはなりません。
そのためには実体経済を回復させるための成長戦略が必要です。経済成長は民間主導であるのが望ましいので、成長戦略で民間部門の投資や消費を促していくことが求められています。
―公明党は24日に成長戦略を発表しました。
石井 公明党の山口那津男代表は、安倍晋三首相との会談で公明党がまとめた「日本経済再生のための成長戦略」を提言しました。安倍首相は政府が6月に取りまとめる成長戦略に「反映できるよう努力したい」と答えています。
―公明党の成長戦略の柱は。
石井 全体で七つあります。このうち(1)エネルギー・環境(2)健康・医療(3)農林水産業(4)文化、観光、地域活性化―の四つを成長分野と位置付け、産業振興に向けた具体策を打ち出しました。
また、各分野に共通しているものとして、(1)中小企業(2)女性・若者(3)科学技術やイノベーション(技術革新)―も柱に据えています。中でも、成長戦略の重要な担い手になる中小企業や女性・若者に、手厚い支援策を盛り込んだのが今回の特徴です。
―どういった具体策があるのですか。
石井 中小企業でいえば、優れた技術やノウハウ(手法)などを生かし、成長分野や海外市場に積極的に挑戦してほしいと考えています。そのために、成長分野に対する研究開発促進税制の税額控除率の引き上げを検討するとともに、海外でのワンストップ支援体制を強化し、海外展開を後押ししていきます。
―女性・若者への支援策は。
石井 待機児童の解消へ政府の「加速化プラン」を確実に実施します。さらに、仕事と家庭の両立支援に取り組む企業に税制優遇を検討するほか、子育てを一段落させた女性が再就職しやすくなるようインターンシップ(就業体験)制度やトライアル雇用(試行雇用)制度を継続します。
一方、短時間正社員制度や、ICT(情報通信技術)を活用したテレワーク、在宅勤務の導入を促し、働き方を多様化することも重要です。
このほか、非正規社員から正規社員への転換、処遇改善に取り組む事業者への助成金活用や、子育て世帯の収入増に向け、企業が得た利益を従業員に還元していくためのルールを政府と企業、労働者の代表が協議する仕組みづくりを進めます。
政府「戦略」に反映し実現へ
―成長分野には、どのような施策を講じますか。
石井 通信機能を備えた電力計「スマートメーター」などを活用し、家庭などでエネルギー需要をコントロールできる「エネルギーマネジメント」を打ち出しました。再生可能エネルギーの拡大に向けては、太陽光パネル設置などへの投資のため、子や孫に贈与を行った際、贈与税を軽減する「緑の贈与制度」創設を検討するよう求めています。
健康・医療では、人手不足が深刻な介護現場の負担を和らげるため、安価で使いやすいロボット介護技術の普及を提言しました。iPS細胞(人工多能性幹細胞)を活用した難病治療の研究も重要な政策の一つです。
これに加え、農林水産物の輸出額1兆円への倍増や、日本のモノやサービスを海外に売る戦略と外国人観光を結び付ける「クール・ジャパン観光」なども提唱しています。
―今後の党の取り組みは。
石井 政府の成長戦略に公明党の提言が最大限盛り込まれるよう、政府との協議に臨む方針です。大事なことは政治の実行力です。政府の成長戦略を充実したものとするとともに、強い意思を持って、それを実行していきたいと決意しています。