【常陽懇話会】景気回復は、政府民間の徹底した積極策とともに世界と成長戦略、財政改善に力を尽くすべきだ。

 常陽新聞新社が主宰する常陽懇話会の第448回8月例会がホテルマロウド筑波で開催されました。
 今日の講演は、日銀で青森支店長、福岡支店長を歴任し、現在ときわ総合サービス㈱の代表取締役専務の山下朗裕氏の「デフレからインフレへ、経営環境、暮らしはどう変わる?」でした。
 山下氏は、冒頭、いわゆるだまし絵を示して、ものの見方は多様であり一つではないを述べました。その上で、日銀OBの立場から、アベノミクスと日銀の異次元緩和について、「三本の矢」「量的・質的金融緩和」に触れて、マネタリーベース・コントロールの採用や長期国債買い入れの拡大と年限長期化、EFT・J-REITのか入れれ拡大を丁寧に説明されました。
 そして、これからの景気とリスク要因について、日銀は「景気は緩やかに回復しつつある」として、輸出は持ち直し、設備投資は下げ止まり、公共投資は増加、住宅設備は持ち直し、個人消費は底堅く推移とのべるものの、設備投資が「増加」でない所に懸念があるとしました。併せて、政府の月例報告は、「景気は着実に持ち直しており、自律的回復に向けた動きもみられる」としていることを紹介しました。
 更に、個人の景気回復判断は、「給与の増額」が5割を超えており、この実感ある景気回復には至っていない。また、財政と第GDP比債務残高や良い物価上昇と悪い物価上昇などの判断が求められるとしました。
 そして、消費税の取り扱いをどうするか安倍総理の判断が注目されるとしました。
 今日の講演は、金融と財政の面から常識的な王道を行く内容でした。その中で、世界における日本の位置や国民の金融資産の動向等の分析は、既に日本が単独で物事が判断できない状況にあり、そして国内は大きく格差ある生活が明確になったことを感じます。広い裾野のボトムアップを目指さなければなりません。
 

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