【消費税】持続可能な社会保障制度確立のため全世代対応型の保障と応能負担の考え方示す。

 先日(2日)結城市を訪ねて公明党党員の皆さまを対象の県政報告会を開催いたしました。
 
 県議会開催の前日であり、参加者の皆さまのご要望をお聞きしながら、皆様が最も関心のある消費税引き上げと社会保障のあり方の考え方等が積極的に話されました。
 地方に於ける消費税引き上げの影響は賃金上昇が難しいとの判断から負担ばかりが懸念されます。また、賃金上昇の可能性が当然ない年金生活の皆さんは負担のみが生活の苦しさに繋がると訴えられました。
 生活の現場は決して楽ではありません。その厳しい現実の中で全世代に対する社会保障の充実を図らなければなりません。全世代への調和ある配慮と人口減少社会への対応等、先の見える施策が納得性をもって実行されなければなりません。
 以下は、10月1日、安倍総理が消費税引き上げ決定を発表したのちの公明党山口代表の記者会見の内容です。「持続可能な社会保障」を推進するために今できることや少し先にすること、一時的な対応や恒久的な対応等のバランスを十分に検討して消費税引き上げにいたる見解が示されています。
人口減少社会での安定財源を確保     記者会見で山口代表
低所得者対策を手厚く 「簡素な給付」を大幅拡充
公明党の山口那津男代表は1日、国会内で記者会見し、安倍晋三首相が現行5%の消費税率を2014年4月から8%に引き上げると表明したことを受け、大要次のような見解を述べた。
【増税の目的】
一、社会保障と税の一体改革は、昨年の(自民、公明、民主の)3党合意を受けて立法化した経緯がある。厳しい財政状況の下、少子高齢化、人口減少社会での社会保障の費用を安定的に確保し、持続可能な制度にしていくために必要な一体改革だ。その意義の下に、今回の消費税率引き上げの判断に至った。
【今の経済状況】
一、(消費税率引き上げでは)二つの基準から検討してきた。
一つは経済状況が好転しているかどうか。二点目は社会保障(改革)の全体像が示されているかどうかだ。
経済状況の好転については、4~6月期の実質GDP(国内総生産)が年率3.8%増に改善。また、1日公表された日銀短観(全国企業短期経済観測調査)を見ても、全産業・全規模の景況感は、5年9カ月ぶりにプラスに転じた。雇用面では、有効求人倍率が0.95倍まで回復している。経済成長の好循環に向かう兆しが見て取れると判断した。
【社会保障改革】
一、社会保障の全体像に関しては、政府の「国民会議」が8月に報告書を取りまとめた。(政府は)報告書を基にした「プログラム法案」を次の臨時国会に提出する。子育て支援と当面の年金改革は関連法が成立し、一定の方向性が示された。医療や介護についてもプログラム法で方向性が打ち出され、社会保障制度改革の全体像は示されたと判断した。
【簡素な給付措置】
一、(消費税率8%への引き上げに伴う)低所得者対策は「簡素な給付措置」だ。市町村民税非課税者約2400万人に対し1人につき1万円を支給する。老齢基礎年金、児童扶養手当受給者などには5000円を加算、総額で約3000億円を給付する。
消費税導入時や税率5%への引き上げ時に比べ、給付の対象者、総額が大幅拡充された。簡素だが、しっかりした内容になっていると評価している。
【軽減税率】
一、軽減税率の導入への議論を加速化していく。自民党と公明党は、消費税率10%への引き上げ段階で食料品などへの軽減税率導入をめざすことで合意している。与党内の議論を加速化し、今年末に一定の結論を得たい。
【経済対策】
一、(消費税率引き上げ時の)景気の下支え策として、5兆円規模の新たな経済対策をつくることになった。12月の策定までに、わが党として(盛り込むべき)具体策を検討したい。税制面での成長力底上げも必要で、投資減税を実行していく。一つは設備投資を促す施策。もう一つは中小企業の投資を促進する減税策だ。賃金を増やした企業に税制優遇を行う「所得拡大促進税制」も拡充する。
【復興法人税】
一、復興特別法人税に関しては「足元の経済成長を賃金上昇につなげることを前提に、前倒し廃止について検討する」ことになった。復興財源の確保、国民、特に被災地の方々の理解を得ること、復興特別法人税の廃止を確実に賃金上昇につなげられる方策や見通しを確認することを踏まえ、12月中に結論を得る。
山口代表の記者会見(質疑要旨)
公明党の山口那津男代表が、1日の記者会見で質問に答えた発言の要旨は以下の通り。
一、(消費税率引き上げの受け止めについて)さまざまな議論の積み重ねの上で、与野党で大きな決断をした。われわれが野党時代に合意したことを、与党になって結論に至ったのは、大きな責任の一端を果たしたと感慨深いものがある。
一、(12月に決める経済対策について)景気の下支えと消費税による反動減を考え合わせながらやっていく。消費税の逆進的な影響を受けるのは、簡素な給付措置の対象者に限らない。中間所得者に及ぶ部分をどれだけ支えられるかという視点から、さまざまな施策を検討していきたい。
一、(10%段階からの軽減税率導入について)与党内で検討を重ねてきた経過を踏まえ、精力的に詰めていきたい。消費税率8%が決まり、10%への引き上げが視野に入る中、恒久的な逆進性の緩和策が必要になってくるので、軽減税率の導入は逆算してタイミングを計って結論を出さないといけない。与党の責任として努力したい。
一、(社会保障と税の一体改革をめぐる3党協議について)民主党は、3党合意を維持した上で共に検討していく立場のようだ。今後、重要な社会保障について共通のベースを持ちながら合意形成に協力してもらえるものと思っている。プログラム法をつくるということで進めるので、まずその理解を得て、それに基づいた具体的な法案を一つ一つ議論したい。