未来の展望のない復旧は無意味だ。ピーマンは既に二回被災している

 神栖市柳川に、風評被害に苦悩する特産ピーマン栽培農家を訪ねました。地元柳堀市議、長谷川市議、佐藤市議とともに、ご自宅が大きく損害を受けながらも日に日に成長するピーマンの育成と収穫を後継者とともに頑張っていらっしゃいます。
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 ご夫婦と後継者である長男は、切々と涙ながらに訴えておられました。
 ・ピーマンは、既に2回被害をうけているのです。1度は地震そのもので、ピーマンの根が切れてしまいました。神栖のピーマンは程よい砂地が栽培に適正ですが、締まった砂地から成長する茎と地中の根が地震で大きく何度も揺すられたことで根が切れてしまいました。当然、葉も実もすべて枯れてしまいます。
 ・2度目は、風評被害です。茨城県産と言うだけで市場も受け取らない消費者も買わないという状況は、放射線の基準値以下のピーマンでは納得いきません。
 ・更に、液状化により、ビニールハウスが大きく被害がありました。砂が噴出し、地面の高さが一部が変わり、ハウスの支柱や骨組みを変形させました。扉は出入りできないようになったため大きく掘り返して出入りしています。
 ・風評被害に対して、国はシッカリした定見をもって安全を訴えて欲しい。「安全だから、私は食べます」と官房長官が言うべきだ。「直ちには」では、将来の不安はなくならない。未来は分らないから、確定的には言わないとか、責任は取れないではなく、「大丈夫、必ず国民の健康は守ります」と言うべきではないか。
 ・風評被害による保障が心配だ。共済や税務申告や市場の仕切り書や写真等々は準備するけれど、保障は、できれば納得いく額で単純なほうが良い。あれこれ書類を用意しろではなく、栽培方法と面積当りでいいのではないか。
 ・将来の不安を解消するのが政治ではないか。今、今後の出荷に迷っている。通常28度のハウス内温度を16度にして生育を遅らせて出荷調整している。7月の連作切替しの準備もある。壊れた家の再建もある。この大変さを政治家が心から納得して欲しい。
 
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 液状化で砂がハウス内に噴出しています。白い所が砂です。どこから来た砂か。石やゴミも混じらないある意味純粋な砂は、海とも河とも判然としません。それでも踏みしめた感触は、細かくねっとりしているようで、体重を受け止める粘りに不思議な初めての経験を感じさせます。そして、根がきれ、ピーマンの茎と葉とピーマンが枯れています。悲しく切ない光景が忘れられません。
  午後は、潮来市日の出を訪ね、街一体が液状化し、比較的新しい日の出の家々の殆どが傾いている現状を住まわれている皆さんの切実な声を聞かせていただきました。
 家の傾斜は、道路との関係で発生しているようです。液状化により道路が変形しました。このパターンは大きく二通りあり、
 一つは比較的幅員が広い高品質な道路は、道路全体が上昇して接する家々の道路側も盛り上げました。つまり、家は道路側が上がり、反対側が下がる傾斜が発生しました。
 二つは比較的幅員の狭い道路は、大きく隆起し側溝を下げるアーチのようになり、家の道路接面をも大きく沈ませました。つまり、玄関側が大きく下がるようになったものです。
 
 いずれにしても家そのものの全壊や大規模半壊というよりも(もちろん内部の亀裂等も被害甚大ですが)、液状化による敷地変形が大きな被害をもたらせました。傾斜する家全体、玄関が隆起した庭により開閉しない、もちろん門扉は変形し、駐車場は道路設面に段差や駐車場叩きたが傾斜し出入り不能になっていました。
 この甚大さの厳しさは、日の出町全体がそうであることです。
 ある意味、津波で街全体が流されたように、家はあるけれども、今後住んでいて良いのだろうかと心底悩まされる現実がそこにはあります。だからこそ、行政の街づくりの方針が求められます。潮来市の大きな人口を占める日の出地区であるからこそ、また若い世代が多く住んでいる日の出地区であるからこそ、未来の展望を指し示すことが今こそ大事です。そうしないと市民はとめどなく流出してしまいます。コミニュティーが喪失して、活気がなくなります。街がなくなります。
 今、公有私有を問わず行政が政治が何をするのかが問われています。衆知を集めて、みんなで立ち上がることか本当に大事です。
 皆さま切実な声をお届けします。
  DSCN1538 この写真は、雨水の排水筒が曲がった様子です。このように家が沈んだ爪あとがいたるところに残されていました。今も避難所に夜を過ごし、昼に後片付けをされています。定年後の安住の地である潮来市日の出、もと茨城県住宅供給公社の販売地です。下水は県の所有だから、工事は市の跡になると言われたそうです。多くの理不尽なことの中で堪えていきたいと言われました。
 ・将来の不安が次の打つ手を考えられなくしている。この地に澄めるのか、住めないのか、道路が復旧しても自宅の復旧は簡単でない。また借金していいのだろうか。
 ・多くの方が街を出て行った。アパートの方は、退去を求められた。せっかくできた隣人との親交がなくなるとすれば、こんなに悲しいことはない。これから新しい土地にいく気力も失せている。
 ・ここに住んで20年の人が多い。子供達が大学にいく年齢だ。学校はあきらめて欲しいと言っている。
 ・まだ住宅ローンがある。さらに借入できるのだろうか。何のためのローンなのか。ここから出ていくこともできない。すぐそこに一週間前に引渡しされた新築の家があるが、もう住めないと言ってい。
 ・日の出地区を市はどうするのか。未来が見えない。
 ・まず水道を復旧して欲しい。どれ程水を大切にしているか知っていますか。排水もしないてくれと言われている。いつまで待てば良いのか。
 以上のご意見がありました。本当に一日も早い復旧を願います。
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